第33話 天空の城
「あれ? みんな何してるの?……てっきりゲームか何かで勝負してると思ってたのに」
アリーナが加藤くん探しから戻ってきた。
制服の所々に返り血らしきものがついてるけど……見なかったことにしよう。
「いやそれが上手くいってなくてね……」
勝負を断られてちゃカードが奪えない。アンド僕たちによって一番大事なおっぱいのサイズ待ちだからである。
「全く、アンタらがちんたらしてる間、こっちは大変だったんだからね!」
「え、何が?」
「返り血が全然洗い落ちなくて、先生にバレるか心配だったんだから……まぁ加藤が鼻血を出して介護してたんですって言ってなんとかバレなかったんだけど」
まさか先生も加藤くんが鼻血だけじゃ済まない量の血を出していたとは思わないだろう。
知らぬが仏ということか。
するとピロン!とLINEから何かメッセージが来た。
グループのLINEにはQuest clear!という文字が送られていた。
……なるほど、どうやらカトウハンターは討伐を終えたらしい。
今頃奴らは素材でも剥ぎ取ってるんだろう。
「それより、じゃあアンタたちは何を待ってるのよ?」
歩以外はみんなトボけた顔をしている。
そりゃそうだ、島崎さんの胸の計測待ちなんて言ったら怒るに決まってるんだから。
「実は島崎さんの胸の計……マフマフ!」
僕は一瞬で歩の口を塞いだ。
危ない、バレたら一貫の終わりだ。
柳瀬くんと透と東次郎くんは見つからないように僕にウインクをした。
……なんで敵にも褒められるんだ?
「ちょっと〜、アンタら何か隠してるんじゃない?」
「なっ何も隠してないよ!」
「本当?じゃあ何待ってるのよ!」
「えっえっと……」
さてどうしたものか。真面目に答えるなんてミスはしない。
なっ何かないのか!?
「……竜の巣からラピ◯タが見えるのを待ってるんだ」
「大丈夫……大地には一生見えないから」
まっずいなぁ、なんとかしてアリーナをここから離れさせたい。
おっぱいの計測……計測……。
「いや実は、僕の常識が覆るかもしれないから待ってるんだ。アリーナには刺激が強すぎるかもしれないから離れていた方が……」
「アンタたち怪しいはね……何を隠してるの」
あれ?ど無視?
すると向こうの方から大きな胸を揺らして島崎さんが走ってきてる姿が見えた。
あっハ◯ーとヴォル◯モートが遭遇する。
「おーーい! やっぱり計測間違ってたぞ! HカップじゃなくてIカップだったぞ!」
「グボハァッ!!」
アリーナが突然後ろに倒れた。
それもそうだろう。アリーナの胸とはかけ離れたレベルの胸を持った島崎さんが登場すると同時にカップ数を宣告したためである。
「アッ……Iカップだと!?」
「バカなっ!?デカすぎる!」
透と柳瀬くんも驚愕している。
「えっ!?えっ……FF7のリメイクが発売!?」
全く関係のないことで驚いている歩はほっておいて僕は倒れたアリーナの近くに行った。
アリーナは息はしていたが目が虚ろだった。
しかし僕が駆け寄ったのを見ると何か喋り出した。
「……ム◯カ大佐……飛行石はどこに?……早くバ◯スでアイツの二つのラ◯ュタを崩壊させないと……」
まずい、アリーナが完全に壊れている。
「アリーナ、気を確かにして!たしかにアリーナの胸は小さいけど生きてけるよ!」
「……はいはい、そうですよー、私の胸は小さいです、絶壁ですよー、はぁーだれか私のこのベルリンの壁壊してくれませんかね?」
……もうダメみたいだ。
「クソ!よくもアリーナを壊してくれたな!島崎さん!」
「私は何もしてないんだが……あとその憎しみを込めた目、最高にいいな……んんっ!ゴホンゴホン!……なんでもない」
「真由様!ここ一面の木は全部測り終えました!次は真由様の……」
「うるさい!お前はこのグラウンドの砂の数でも数えてろ!」
「はい!」
スッと透は僕の前に手を出し、お前は何も喋るなと言わんばかりの顔をした。
何する気だ?
「そういえば、俺たちは今の所、カードを約70枚ぐらい持ってるがお前たちは何枚なんだ?」
「ふん!約90枚だが?もちろん勝負は受けないぞ?他の5組のやつらにも言われてるからな」
その他の5組の人たちは続々とカードを増やすために散らばったみたいだ。
90枚ということは5組の心臓枚数、勝負をさせないというのは理にかなっている。
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