第32話 サイズモンスター
僕たちが加藤くんの処罰について話している内にいつのまにか5組の生徒たちはバラバラになっていた。
しかし5組の生徒が集まっていたところには2名の生徒がまだ残っていた。
「透、加藤くんの事は考えずにカードの事だけ考えよう」
みんな加藤くんに行う事を考えていてずっと動かなかった。
特にアリーナはさっきのビデオのこともあり今さっき、金属バットを持って加藤くんをハントしに行ってしまった。
「……たしかにそうだな。おい、そこの二人、5組のやつだな? ちょっくらツラ貸してくれや」
まだ若干、透の機嫌が良くないみたいだ。
昭和のヤンキー感丸出しで声をかけた。
すると二人の男女の生徒がこちらに気づいた。
「あら? 誰かと思ったら問題児ばかりと噂の3組さん方じゃないですか?」
「何の用だ!貴様ら!今、真由様は疲れてるんだぞ!」
「うるさい、東次郎!あなたの声いちいち声大きいのよ!」
「すっすみません!真由様!」
そこにいたのは、一人の男子と女子の生徒だった。
男子の方は割とすらっとした体型で変に鍛えてる感じでもないが威勢だけは高そうだった。
今でさえも目つきを鋭くしてこちらを見ている。だがその反面、女の子の方には頭が上がらないらしく、うちわで扇いでいた。
女の子の方は柳瀬くんに見せてもらったあの写真の人物だった。
ピンク色の髪の毛をいじりながら楽な姿勢をとっており、制服の前あたりは開けられ、大きな胸がこんにちはしていた。あと少しで全部出ちゃいそうな勢いだ。
スタイルは本当に高校一年生なのかと目を疑うほど整っていて、みんなが言うボンキュボンであった。
「おい!西野大地!貴様、誰の許可をとって真由様のお胸を凝視しているんだ!」
「いやっ!?そんな大きな脂肪、凝視なんてしてないよ!?」
……少しは見てたけど……。
「……大きな脂肪!?……なんて鋭い悪口……良いわ……んんっゴホンゴホン!!貴方があの有名な西野大地ね?」
今、少し、女の子が体を震わせて、嬉しそうな顔をしていたように感じたが見間違いだろうか?
「え? そんなに僕って有名?」
「えーと……なんて呼ばれてたかしら」
それはいわゆる通り名っていうやつか……少し気になる。僕のことだきっとかっこいいやつだろう!
人斬り抜刀斎とかが個人的にはいいんだけど……。
「大地、そんな期待しないほうがいいと思うけど……」
「歩、自分にはないからって嫉妬するなよ……」
ふっ……これだから有名人は辛いな。
「歩の言う通りだと思うぞ、大地のことだ『比戦学園のテラフォーマー』とかじゃないのか?」
「僕のこと、学校のゴギブリって言いたいの!?」
流石に酷くない!? カタカナだから一瞬カッコいいなとか思ったけど!
女子生徒は一生懸命に思い出したようにしてはっきりと僕に述べた。
「確か……『口から悪口を出す害虫』だったと思うわ」
「……、………」
「確か『口から悪口を……」
「いや聞こえてるよ!割とストレートな暴言だったからメンタルにきてるんだよ!」
害虫か……すごい言われようだな。
「透、ニアピンじゃん!すごい!」
「いや全然すごくないから!これに関してはピッタリ賞当てて欲しくなかったから!」
ここまでメンタルブレイクした僕にお土産ぐらい欲しい。
「まぁお前の存在価値なんてたかが知れてるからな、あまり嬉しくないが」
「まだ認識が虫ぐらいの価値だからいいんじゃない?」
「……まぁそのうちそれ以下になるのは目に見えてるが……」
「なんなの!?僕なんか悪いことした!?お前ら全員いつかいじめてやるからな!」
せめてもの抵抗だ!反撃してやるからな!……いつか!
「ーーそれは胸が踊る!楽しみにしてるぞ!」
「え?君に言ったつもりはないけど……」
なぜか女の子の方が興奮気味に返事を返してきた。このクソ野郎達に言ったつもりなんだけど……。
「……んんっゴホンゴホン!それよりも何の用で私達を呼んだのだ?」
「そうだ、そうだ!俺たちは暇じゃないんだぞ!」
いや今さっきまで涼んでて暇そうだったけど……。
「至って答えはシンプルだ。お前たちのカードを奪いに来た!勝負をしろ!」
透は指を指して宣言をした。
すると女の子は立ち上がった。その反動で胸がボインボインと揺れる。
「残念ながら……却下だ!私たちは無駄な戦いはしない。そうしなくても勝手にカードが来るからな……」
「くっ……!」
透は悔しそうだ。たしかにルール上勝負は断れる。
今の状況からしたら確かに無駄に勝負をしなくても勝手に変態どもが10枚持ってくるシステムで動ける。
「君はそれでいいの?訳わからない人に揉ませるなんて!」
「あぁ勿論だ!」
「恥ずかしさとかもないの?」
「微塵もない! むしろ触らせたい!」
「とんだビッチがいたもんだ!」
「真由様!では俺にも!」
「お前は泥水でも啜ってろ!」
「はい!お望み通りに!」
とんでもない奴らと出会ってしまったみたいだ。
「……1年5組、島崎真由、スリーサイズは上から98、58、87、俺の分析ではHカップと出た」
「なんで柳瀬くんがそこまで知ってるのかは今は詮索しないでいこう」
僕によってもいい情報だから……。
「おい、その分析間違ってないか?私はIカップのはずだぞ!」
「「「ゴクリ……」」」
みんな息を飲んだ。
「……そんなはずはない、俺の計測は完璧だ」
「ムムム……少しここで待ってろ!計測してきてやる!」
「真由様、俺も手伝いますよ!」
「うるさい!お前はそこの木の長さでも計測してろ!」
「はい!一寸の狂いもなく計測してみせます!」
島崎さんはグラウンドの更衣室に向かっていった。
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