第14話 新たなる扉

「じゃあ美沙ねぇ、僕らはもう行くよ……」


 いろんなことがありすぎて今更になってどっと疲れがきた。


 家に帰ったらすぐ眠れるぐらいに。



「おう! また来いよ! お前ら!」


「またねぇ〜!」


 僕らは生徒会室を退室した。





「お前ら家族とんでもない奴らばっかだな……」


「ボク、新種の生物を発見した感じだよ」


 僕らはもう帰るために教室に向かっていた。



「……何なのよ、この学校……こんなはずじゃ……」



 アリーナが小言で何か言ってる。


 そうだ、アリーナは楽しかったかな?


 感想聞いてみよっと!



「アリーナは今日の学校案内、どうだった……あぁぁ!」



「キャッ!?」



 僕は後ろにいたアリーナに感想を聞こうとして振り向いた瞬間、アリーナとぶつかってしまった。


 気がつくと某漫画のラッキースケベのような体勢、アリーナがM字開脚して僕がアリーナのおパンツを見る体勢となってしまった。


「うわぁぁ! ごめん!」


「……、……」


 アリーナが顔を赤くして体をプルプルと震わせている。


 ……まずいそろそろ来そうだ。


 アリーナとこんな状態になったんだ、僕だって恥ずかしいと感じるだろう……はい、いきまーす。




「流石に高校生にもなってクマのパンツはないだろ! 小学生かよ! ハーフのパンツだからどんなのかなーって期待してこれだよ! まるでしっぺ返しするねって言ってたのに思いっきりハンマーで腕ぶつけられるぐらいの裏切りだよ! もっと外人っぽい、色気のあるやつにして来いよ! あとパンツだけじゃないよ、その絶壁の胸! 自分でそんなに気にしてない風にしてるかもそれないけど、今まで会ってきた人達の胸、もぎ取る勢いで凝視してたから! 思いっきり気にしてるよね! もう巨乳反対!っていう旗掲げてもいいぐらいだろ! ……ふぅ……」


「おつかれ……大地、はい! 水!」


 歩が息切れしてる僕に水を渡した。


「いや〜 安定の悪口ですなぁ〜 期待を裏切らないですよ」


 透が肩揉みをする。



「さて……反応は……」


 普通でいけば、悪口に耐性がない人なら僕にメロメロになってしまうだろう……。 本当にアリーナには申し訳ないと思っている。


 アリーナとはちゃんとした関係で痛かったのに……僕のこの照れ隠しのせいで……。


 アリーナはさっきから体をプルプル震わせて顔がタコのように真っ赤だ。



「……っろすぞ、」


「ぶっ殺すぞ! この童貞野郎!」


「「「えええぇぇぇ!?」」」


 アリーナはいきなりちゃんとした日本語でちゃんとした暴言を吐いた。



「さっきから聞いていれば悪口をタラタラとお前なんだよ! つぶされてぇの? それとも埋められたいの? どっちか選ばせてやるよ! パンツも見られた挙句、悪口も吐かれる……泣きっ面に蜂レベルじゃねぇけどこれ!

この学校案内どうだったか……だと? 言ってやるよ! 最低最悪だったよ! こんな学校案内初めてだよ! つーか途中からどうみても私置いてきぼりのストーリー展開だっただろ! 生徒会の紹介とか頼むから別パートでやれよ! 今回はどうみても私だろ! 私中心に回せよ! あとほかのやつキャラ濃すぎだろ! 他の女子は巨乳だわ、個性あるわ、巨乳だわ、私に注目が集まらないだろ! ハーフで赤毛って割と個性あると思ってたけど、違ったわ! 戦う舞台が違いすぎました! あぁぁぁ〜とりあえず全員一回死ねよぉぉぉぉぉ!」


 アリーナは今まで溜めていた不満などを全て叫んだ。



「「「……、……」」」


 僕たちはあまりの出来事に呆然としていた。



「はぁ……はぁ……、ーーっ!?」


 アリーナは落ち着いたのか、急に我に返り、今までの出来事を思い出したのかまずい!という顔をしている。



「……ッテ、ッテイウノハウソデ!」


「「「いや、もうそれは通じないから!」」」


 僕たちは彼女の新たな扉を開けてしまったようだ。

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