第2話 変化
「はぁ、疲れた。」
僕は家に着くがすぐにベッドで横になった。
今日もまたこの照れ隠しによって振り回され、疲れが出てしまった。
あーあ! この照れ隠しなんとかなんねぇかな、これさえ治れば、僕もモテモテになれると思うのに。
別に自分を褒めてるわけではないが透と比べても顔は悪くないと思う。
「こんな考えてもしょうがない、寝よ寝よ」
そして僕は夢の中に入っていった。
○
真っ暗な部屋、そこに僕は立っている。
「あれ? 俺、自分の部屋にいたのに?」
まさか誰かに拉致された!?
「大丈夫だよ! これは夢だから!」
後ろから誰かに抱きつかれたと思ったら耳の近くで綺麗な声がした。
「え? 誰? ちょっ見えない!」
後ろに抱きついてるため、後ろを振り向いてもその人が見えない。
確認できるのは声の主が女性で背中に男子が喜ぶ大きなメロンの感触があるという点だけだ。
「いいかげん……」
「ほいっと!」
その声の主は僕を抱きついてた手を離し、僕の前に現れた。
見てみるとその女性は綺麗な白いロングの髪でその上には天使の様なリング、背中には小さな翼、少し童顔の可愛らしい顔でやっぱり巨乳だった。
「誰ですか? あなた?」
「ん? 私? ーーえーと神さまです!」
「この人頭おかしいのかな?」
詐欺師でももう少しマシな事言うぞ?
「おぉぉい〜 心の声漏れてるぞ〜」
すると急に神様と名乗る少女は僕に顔を近づけてきた。
僕と少女の顔の間は数センチだった。
「ちょっと……ちかっ……」
僕は顔を赤らめ始め、
「だから童顔コスプレ娘、近いっていってるでしょ! んだよ、名前神様って! 都会のコスプレ喫茶のバイトでもそんな設定のやつ恥ずかしくてやらないぞ! つーか神様の顔じゃねぇだろ、どう見ても設定間違えすぎだろ、もう一回店長に電話して設定変えてこい! だとしてももうよばねぇから! チェンジだから!」
少女は真顔で立ったままだった。
しかし、僕の悪口が終わると急に笑い出した。
「あっはっはっ! やっぱりすごいね! 君のそれ! そんな量の悪口よくすぐ出てくるよね!」
少女は傷つくどころか、大笑いしていた。
「そんな大したものじゃないですよ……これのせいで俺はまともな恋愛出来なくて」
「困ってるんだ……」
「ええそうですよ!」
少女はこちらを見つめている。
「じゃあさ! それ変えてみよっか?」
「は? 変える? なんの事……」
「うん! そうしよう! それがいいや! 君の恋愛が上手くいくように変えてあげるよ!」
「ーー何勝手に話進めてんの!? 何!? どうやって変えるの?」
「ふふふ! それは悪口を言ってからのお楽しみ〜、じゃあね!」
急に僕の下に穴が空いたと思ったれ、それはどんどん広がり、僕は穴に落ちていった。
○
「ん? 朝か……嫌な夢だったな」
外を見ると、日が昇っており、明るくなっていた。
家で朝ごはんを食べ、僕は何事も無かったように登校した。
昨日の夢、あんまりざっくり覚えてないんだけどなんだったんだろうな?
思い出そうとしても頭が痛くなって思い出せない。
そんなこんなでいつもの通学路を歩いていると、目の前に女子高生がいた。
制服が違うのでどうやら他校の人らしい。
……スカート短いなぁ。
ん? 何か落ちた。
女子高生は気付かずに歩いていってしまってる。
僕はそれを拾うと可愛いキーホルダーだった。
「あの! これ落としましたよ!」
僕は前を歩いている、女子高生を止めた。
「え? ーーあ! それ!」
彼女も僕が持っているものに気づいたのかすぐさま駆け寄ってきた。
「これ! 大事なやつだったんだ! 無くしたらガチで凹むところだった〜、拾ってくれてありがと!」
彼女は少しギャル感が漂っていたが、それを考えさせない可愛さがあった。
よほど嬉しかったのだろう、キーホルダーと一緒に俺の手も握ってしまっている。
……やばい、やってしまう!
……結構いい感じで仲良くなれそうなのにーー
「アンタさ、まずはちゃんと頭下げて謝れよ、そんなことも学校では教えてくれないのかよ! というかなんだよこのキーホルダー、アンタのキャラと全然合ってないんだよ可愛いやつをつけるな、もっとチャラいもの身につけろよ! あとそのスカート短いのもさ、さっきから見てたらいちいち他人の目気にしてさ、だったら長くしろよ、あとそんなにお前のパンツ見たいとかいう期待持ったやつそんないねぇから! 自意識過剰も甚だしいよ!」
……またやってしまった。
今日も僕の悪口は朝から元気いっぱいでした。
彼女は僕の勢いがすごかったのか尻餅をついてしまった。
彼女はプルプルと体を震わせている。
ここからの流れは分かる。
だいたいの人は泣くか、僕に暴力を振るんだーー僕が起こしてしまったんだから仕方ない自業自得だろう。
僕は何が来るかはわからないが彼女の反応を待った。
「……き……」
小さい声で何か言っている。
「え? 何?」
「好き〜! 大好き〜!」
女の子はいきなり僕の体に飛びつき、抱きついた。
急に抱きつかれたため、僕は倒れて、自然と彼女が上で僕が下の馬乗りになってしまった。
「好き! 好き! 好き! もっと悪口言って!」
彼女は顔を赤くしながら少し興奮したように言っている。
目がとろ〜んとしてるんですけど……。
「えっと、バカ?」
「あぁぁん〜! いい! いい!」
彼女は喜び、さらに僕に密着してきた。
ちょっと! やばい! 色んなものが当たってて……
「まさか、知らない奴にいきなり抱きつく常識外れのバカ女だとわな! もう一回、母親の腹の中からやり直せよ! つーか密着しすぎてお前の体臭ノーガードで匂ってんだよ、気づけけよ! バカ女!」
「あぁぁぁん!!!」
彼女は今聞いたことないような声を上げて、後ろに倒れた。
僕は立ち上がり彼女を見上げると彼女は倒れたまま、顔を赤らめて膝が痙攣している。
「すっ好き……!」
「なに…….が起きてるの?」
僕はこの状況が理解出来ず、少し恐ろしくなってその場から走って立ち去った。
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