酒酔いよりも人酔いのがつらい
*視点戻ります*
キミの案内に従いついて行った『IDOLフェスin横浜』の会場。
周りを見渡せば人、人、人。
入場受付に行き、キミがスタッフにペラッと見せていた紙は前に見せられた画用紙に似たやつだ。
スタッフが各々付けているインカムで何言か話し「どうぞー」と受付を通された。
神チケットすごい。
「あたし、挨拶行ってくるけど行く?」
中には大手グループの物販や、等身大パネルが展示してあるスペース、軽食が取れるスペース等、周りを見ているだけでワクワクしてくる。
くそぅ…人がごった返してなきゃゆっくり見たい…!!
そんな中で、キミと歩いていればふと奥まった階段を指差し言われた言葉に「…えー」と声が漏れてしまった。
何せ人が多い、多過ぎる。
こんな場所に1人放置されたら無理!!!
絶対、無理!!!
「挨拶、って、ついてっても大丈夫なの…?」
「大丈夫でしょー」
気の抜けたようなキミの返しに、まぁ良いのか…?と思いつつも挨拶に手ぶらで行こうとしているキミを引き止め売店にあった清涼飲料水とスポーツドリンク、熱中症対策のコールドスプレーを大量に買い込み、スタッフオンリーの扉をくぐった。
外の活気とはまた別な活気が裏側にあり、女の子特有の甘い匂いと汗と埃っぽい感じの匂いが混ざったようななんとも不思議な匂いがする。
広くない通路には所狭しと衣装や、キャリーバッグ、機材などが並んでいた。
控え室、と貼り紙されている所は何ヶ所かありキミがスタッフに声をかけて招待してくれた子が何処にいるかを聞いている。
飲み物足りたかな…。
何人グループの子なんだろ…。
キミに先導されるがまま、ある控え室に入った。
キャー!と聞こえた黄色い歓声。
招待してくれたであろう子から熱烈な歓迎を受けているキミを凪いだ気分で見ていれば、こっちをジィとみている視線を感じぐるりと周りを見渡せば視線を送ってくる人物に「あ。」と声が出てしまった。
なにこれ?運命?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます