第6話

君はマトモになろうとした。


変人というのは世間で受け入れられ難い。



自分達と違う、異質であるという理由から軽率にはじかれる。



生きづらい。





君は平凡を求め、安定を欲した。



難しく堅苦しい事を考えることを放棄した。




段々と、しかし着実に君は思考が鈍くなっていった。




並の人へ退化する。




君は言った



「もういい加減現実を見たら?」と。




普通を求めるのは当たり前の事だと君は語った。

暑い口調で


暑苦しかった。


若い頃はそうやって尖ってられたけど、そうもいかなくなっていくと。

冷めた口調で


寒々しかった。





受け入れられなかった。

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