第7話

「俺は、それで裏切られたら怖いからむりかな」


心臓は肋骨を折らんばかりに鼓動する。


手先の感覚はとうの昔に無くなっていた。




『君から正解発表をどうぞ』


メールが届く。


口頭ではもう恥ずかしいのだろうか。


彼女ももう会話することは出来そうになかった。


手が震え、ケータイが落ちそうになる。


上手く打てない。



『どう転んでも大丈夫。君からどうぞ』



リアルタイムで書いていることが伝わる機能。


いつもは重宝するが、今は要らなかった。


彼が書いては消しているのが判る。



『最初のほうの答え、ロングじゃないって言った』





一択。





そう、冷静に判断すればもうどちらにも一択の答えしか用意されていない。




石で出来た橋は強く、堅い。

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