第32話 To the fighting world(喧噪の世界へ)

寺院から一歩足を踏み出すと、排ガスやなんやらで、一気に現実の世界へと連れ戻されていった。シェムリアップの朝の喧騒を感じながら、アベニューを歩いた。間もなくすると、ソック・サン・ロードに突き当たった。


そのエリアがマーケットエリアのようだった。テント張りのマーケットの奥へ奥へと僕と山田は誘われるように進んでいった。民芸品店が立ち並び、インテリアによさそうな商材も何点か見繕った。


山田「酒井さん。この象の置物、超かわいいですよね。」


僕「そうだね。オブジェっぽくて日本人好みですね。」


山田「このアクセもなかなかいいですよね。いろんな服に合いそうですよ。」


マーケットに並んでいた商品は、観光客向けの木彫りのブッダだったり、象の置物だったり、あとイミテーションのアクセサリーも数多くあった。カンボジアシルク製品も数多くあった。このマーケットは、僕と山田の興味をかなり引き付けたので、隅々まで店を見て回った。僕は仕事関係の人たちにばら蒔きようのアンコールクッキーを探した。


僕の時計をふと見ると、いい時間になっていた。


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