第27話 The Last Supper(最後の晩餐)

まもなくすると僕たちはホテルへ到着した。すでにニャンもホテルには着いていた。


ニャン「酒井さん、山田君。おかえりなさい。カンボジアのマッサージの感想はいかがでした?」


僕「すごくうまくて疲れが取れましたよ。遺跡見学では、かなり歩きましたから、ちょうどよかったです。」


山田「俺の担当のマッサージ師もすごくうまくて、体がほぐれました。」


ニャン「それはお二人とも満足していただくことができ、良かったです。」


僕「ニャン君。今から荷物を山田君と一緒に部屋においてくるので、少々お待ちいただけますか。」


ニャン「大丈夫ですよ。レストランの予約時間までは、まだ十分時間がりますから。」


山田「そうなんだ。じゃ、とりあえず、酒井さん、荷物を部屋に置いてきましょうか。」


僕「そうしましょう。」


ニャン「僕は、フロントで待っていますね。」


僕「了解です。」


山田「じゃ、後程。」


僕「ちなみに今晩の予約を取っていただいたレストランは、何料理ですか。」


ニャン「今回は多国籍料理です。メインは、クメール料理、カンボジア料理ですけどね。なんでもありです。」


山田「俺、すっごくお腹減っちゃいました。」


僕「じゃ、山田君、取り急ぎ荷物を置いてきましょう。」


山田「ラジャ。」


僕と山田は部屋へいったん戻り、荷物を置いてフロントへ出戻ってきた。ニャンとホテルのフロントで合流し、タクシーに乗車し、レストランへ行くことにした。


レストランは、ニャンのセレクトで、なかなかいい感じのレストランだった。そのレストランは僕たちの滞在中のホテルから車で20分程度のところであった。オープンカフェのテラスの席を用意してくれていた。ヤシの木が夜風に葉をなびかせていた。籐でできた椅子とテーブルに腰を掛けた。ボーイはドリンクのメニューをもってきてくれた。


山田「ドリンク、何にしますか、酒井さん?」


僕「ニャン君は?おすすめのドリンクってありますか。」


ニャン「そうですね。アンコールビールなんてどうですか。カンボジアではメジャーなビールなんですけどね。」


僕「山田君とニャン君は、ビール大丈夫ですか?」


山田「俺は大丈夫ですよ。ニャン君は?」


ニャン「僕も大丈夫です。乾杯程度ですけどね。」


僕「じゃ、はじめはアンコールビールってことでいいですか。」


ニャン「ボーイさん。ドリンクのオーダーをお願いします。アンコールビール、3本。それと食事のメニューをお願いします。」


僕「今日はニャン君のお陰で本当に楽しいアンコール・ワット遺跡探訪ができました。本当にありがとうございます。」


山田「酒井さんのおっしゃる通り、ニャン君のお陰で楽しい遺跡の探訪ができました。ニャン君様様ですよ。本当にありがとう、ニャン君。」


ニャン「いえいえ、こちらこそ楽しい時間をありがとうございます。こんな素敵な食事にもご招待いただいてありがとうございます。」


ボーイ「お待たせいたしました。アンコールビールです。グラスは3つでいいですか。」


僕「はい。料理のオーダーもお願いします。ニャン君、何かおすすめありますか。」


ニャン「そうですね。せっかくなのでカンボジアのローカル料理で日本人の口に合いそうなものをセレクトしていいですか。」


僕「お願いします。ニャン君にお任せしますからね。楽しみです。山田君もなにかリクエストがあれば、どうぞ!」


山田「カンボジア料理って、どんなものかよくわからないのでニャン君にお任せですよ。ローカルフードって俺も楽しみです。」


ニャン「酒井さんと山田君、何か食べられないものってありますか。」


山田「俺は特にないですよ。あまりにおいのきついものは無理かも。」


ニャン「わかりました。酒井さんは?」


僕「そうだな。僕も特にないけど山田君と同じいように臭いのきついものはちょっと無理ですね。さっぱりしたのがいいです。コースがあればそれでもいいですよ。」


ニャン「わかりました。ちょうどメニューにコース料理があるのでそれにしてもいいですか。そのチョイスにしたいんですが。」


僕「それでお願いします。」


ニャンがボーイにクメール語でオーダーをしてくれた。


僕「ニャン君、どんなコースなんですか。」


ニャン「まずは前菜ですね。前菜は、プラホック・ティスという野菜のディップです。ソースは醤油のような感じで魚がベースです。ほとんど癖がないのでお口に合うかと。」


山田「そうなんだ。なんだがおいしそうですね。酒井さん。」


僕「さっぱりしてそうでいいですね。他にはどんなものが出るんですか?」


ニャン「前菜の後は、おそらくスープが出てくると思います。スープは鳥ガラって書いてありました。チキンスープなのでこれもお口に合うと思います。カンボジアの食材のふんだんに使われているとかいてありました。」


僕「おいしそうですね。メインは何でしょうかね。」


ニャン「話が前後しますが、スープはアモックというものです。このスープは通常は雷魚などが入るんですが、この店では、その代わりにチキンを具として入れているみたいですね。ココナッツミルク入りのたまごで蒸した感じです。日本でいうところの茶碗蒸のような感じかもしれませんね。茶碗蒸しよりは水分が多くてスープ感覚です。」


山田「おいしそうですね。で、メインは?」


ニャン「牛肉のフィレステーキと、ガリークエールというココナッツミルクたっぷりのカレーです。」


僕「デザートは着いてますか」


ニャン「もちろんです。フレッシュフルーツと書いてありましたよ。食後のコーヒーか紅茶もついています。」


僕「いい感じですね。」


山田「カンボジアのコーヒーって興味ありますね。」


僕「そうですね。今から楽しみです。」


ニャン「きっとお二人には満足していただけると思います。」



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