第26話 The evening break(夕間暮れ)
いよいよ日の暮れたシェムリアップの街の喧騒へ導かれていく。街の街灯が少ない薄暗く夜空の中、喧騒とともに出発した。
生暖かい夜風が僕たちをよぎっていった。この感じが東南アジアっていう感じであった。交通事情はルールを守る運転手のほうが少ないぐらいだった。無秩序な道路事情が、まさに今、発展途上国にいるという現実を見せつけてくる。
あちらこちらで、クラクションが鳴り響いてた。この光景も僕は好きだ。なんだかルツボって感じがした。ラッシュアワーのようで、車も渋滞していた。僕たちの乗ったトゥクトゥクも渋滞に巻き込まれ、少しづつ進むといった感じだった。しばらくそのような状態が続いたが、その後はスムーズに夜風を切りながら走っていった。トゥクトゥクには窓がないため、排ガスが、もろに僕たちに覆ってきた。
山田「トゥクトゥクに乗っているとなんだかカンボジアを旅行しているって感じでいいですけど、排ガスがすごいですね。」
僕「そうだよね。窓がない分、ダイレクトに僕たちにかかってくるね。」
トゥクトゥクからの眺めは、気分上々でシェムリアップの夜の喧騒を映し出していた。あちら落ちらで鳴り響くクラクションの音。レストランから流れる爆音のBGM。この雰囲気が旅情を掻き立ててきた。
みたことのある路地へトゥクトゥクは入っていった。間もなくすると滞在ホテルへ到着した。今回のトゥクトゥクは、マッサージ店の送迎車のため、値段交渉もなく楽であった。
通常、こういったローカルな乗り物は、観光客が乗車する場合、事前に値段交渉が必要である。そこが旅の面白みでもあるが、かなり面倒くさい点でもある。
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