第25話 Cambodian Massage(マッサージ)
カンボジアのオイルマッサージはいったいどんなものなのか楽しみであった。僕が良くいくバリ島では、常連のお店があるのでそんな感じなって思っていた。オイルはココナッツオイルだろう。足つぼのマッサージはなかなかいい感じだったら、最高なんだけどね。
僕たちを乗せたタクシーは国道6号線から途中、横道へ入った。通りの名前はわからなかった。マッサージ店の前にはバイクタクシーの客引きが多くいた。僕たちはお店の店員に出迎えられて、店の中へ案内された。フロントで希望のコースを聞かれたが、メニューの表記がクメール語だったたねよくわからなかった。ニャンに聞いてみた。
僕「クメール語でよくわからないんでニャン君が決めてもらっていいですか。山田君はどうしますか。」
山田「俺も酒井さんと同じコースでいいですよ。」
ニャン「わかりました。スタンダードの2時間コースで全身マッサージにしますね。オイルマッサージです。マッサージ師は男性と女性のどちらがいいですか。」
僕「それでは、男性の方が力が強いから、男性でお願いします。」
山田「俺もそれで。」
ニャンとフロントで別れ、僕と山田はそれぞれマッサージ室へ案内された。フロンのソファーでは、ウエルカムドリンクがあった。僕と山田は、それぞれのマッサージ室へと入っていった。
僕「山田君、じゃ、2時間後にお会いしましょう。」
山田「了解です。少々、緊張しちゃいますけどね。」
僕が案内されたマッサージ室には、4つマットの並ぶ大部屋だった。マッサージ室へ入るとすぐにガウンへ着替えるようにうながされた。お手拭きも渡された。冷えていて気持ちよかった。
マッサージ師は、クメール語しか話せなく、英語は片言だった。僕は、クメール語は全く分からいから、英語でどうにか意思の疎通をはかった。
マッサージ師「はじめまして。私の名前はヤンです。よろしくお願します。私は、英語がちょっと。日本語もちょっとです。」と、自己紹介があった。
僕「よろしくお願します。」
マッサージ師のヤンは、僕へマットの上へ仰向けに横たわるようにボディジェスチャーで促してきた。
いよいよマッサージの始まりだ。クーラーも心地よく聞いていた。BGMもカンボジアのPOPのような曲が流れていた。
まずは、脹脛のマッサージから始まった。ココナッツオイルをマッサージ箇所へ塗り、ハンドマッサージが行われた。遺跡を歩き回った脹脛にはよく効いてきた。脹脛を指でマッサージされたときには、思わず悲鳴が出てしまいそうだった。
続いては、足の裏や足のツボをマッサージされた。足裏のツボのマッサージも非常に気持ちよく、疲れがほぐれてきた。
次には頭皮のマッサージだった。頭皮のココナッツオイルをたらし、頭皮を手でほぐしてきた。このマッサージの後は、シャワーを浴びなければ、気持ち悪いなと思い、マッサージ師に確認したところ、マッサージ終了後には、シャワーを詫びることができるようだった。これで一安心だ。
ところで山田はどうなっているのかちょっと感想を聞くのが楽しみだった。マッサージの内容に戻るが、頭皮のマッサージは、オイルをシャンプーの代わりのようにし、丁寧に頭皮指圧をしてくれた。これも最高だった。頭皮マッサージが終わると、頭がすっきりとしてきた。なんだか、頭の血流がすごくよくなっているように感じた。頭が軽くなった気持ちがした。やはり、知らず知らずのうちに、日常生活の中で血流が悪くなっていたんだなと、実感をせざるをえなかった。
頭皮のマッサージが一通り終わると、いよいよボディー部位のマッサージとなった。まずは腕から手の指先まで、オイルで滑らせながら指圧マッサージをしてくれた。腕も手のひらも割り筋肉が緊張していたようで、硬くなっているのが実感でした。それを一つ一つ丁寧にほぐしてくれた。
手のひらのマッサージの時には、手のひらから、ゴリゴリするのが分かったが、ここは我慢と思い痛さに反応しないように頑張った。
マッサージ師は、その様子に気が付いたようで「大丈夫?」と聞いてきた。
僕は「大丈夫」と答えた。
手のひらのマッサージを受けているときには、少々痛さで苦痛を感じていたが、手のひらマッサージが終了すると、手のひらのこりがほぐれた感じで、腕から手のひらまでが軽く感じた。それと同時に血流の関係だろうが、手のひらが、少々ポカポカと熱く感じた。それと同時に腕が軽くなってきた感覚があった。
いよいよボディーマッサージなのだが、マッサージ師が僕の背中に馬乗りになり、首筋から恥骨あたりまでをココナッツオイルを塗り、手を滑らせてマッサージをしてくれた。
背骨のあたりを指圧で押され、思わず声が漏れてしまった。ボディのマッサージも指の圧力がちょうどよかった。体中のコリが解されてきている感じがあった。ここまででマッサージのコースは終了した。
最後にシャワーを浴び、また、マッサージ室へ戻り最後にドリンクをいただいた。ジャスミンティーだった。マッサージ師はクメール語で何か言っていた。なんだかよく理解できなかった。
僕が英語で「フィニッシュ?」と確認したら、マッサージ師は首を縦に振った。このマッサージは、はまりそうだった。
日本だったら、このマッサージのコースをチョイスするとおそらく万単位の請求になるだろう。僕は、身支度を整えフロントへと歩いて行った。実は、マッサージ室というのが薄暗い廊下を通っていくため、少々妖艶な感じがあった。フロントへ戻ると、山田が先にソファーに座っていた。
山田「酒井さん、お疲れ様です。すごくマッサージのテクニックがうまく、疲れが取れました。来てよかったですよ。」
僕「この技術で、この時間だったらかなり安いよね。カンボジアの人たちには高いんだろうけど。」
フロントでもコールドドリンクが出てきた。それを飲むとほっと一息って感じであった。フロントの女性が僕と山田に「帰りは、ホテルまでトゥクトゥクでおくります。」と伝えた。
現地の乗り物に乗車すると、なんだか現地に溶け込んだ感じがする。お店から出るとカンボジアの熱帯雨林の空気がモアっと僕たちを包み込んだ。山田はトゥクトゥクに乗るのは初めてみたいでハシャイでいた。僕は以前、バンコクへ仕事で行ったときに移動によく使った。懐かしい感じだった。
僕「山田君、トゥクトゥクの名前の由来って知ってますか。」
山田「知らないです。でも、現地の乗り物っぽくっていい雰囲気出てますよね。」
僕「そうですか。トゥクトゥクの名前の由来は、エンジン音なんですよ。聞いているとトゥクトゥク鳴ってますよね。」
山田「本当ですね。なんだかかわいい感じがします。」
ドライバーが英語で話しかけてきた。ホテル名を確認された。僕と山田の滞在中のホテル名をドライバーへ告げた。
僕「レッツ。ゴー」
山田「レッツ ゴー」
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