第24話 Thoughts transmitted from the ruins(想い)

先ほどきた道を帰っていく。第一回廊では、先ほどと反対の方向から回廊を回った。レリーフも、先ほどとは異なるものだった。回廊の左側にはレリーフが立ち並ぶ。右側には熱帯雨林のジャングルが連なっている。この薄暗い回廊を僕と山田とニャンが、ゆっくりと歩いて行った。


古の時代にもこの回廊を歩いていた人がいたんだとおもうとなんだか感慨深い。ジャングルより心地よい風が、僕たち三人を包み込んでくれた。


タクシーを止めた場所までも、なんだか名残おしさがあった。時間が確実に進んでいた。今、僕たちがこのアンコール・ワットを探訪しているが、明日になると別の人たちが、僕たちの知らない世界の誰かが僕たちと同じ通路をとおると思うとなんだか考え深い。時間を戻すことができないこの不甲斐なさがメランコリックにさせてくる。


タクシーに乗り込み僕たちはホテルへと戻ることにした。その前に、のどを潤したいと感じた。僕がドライバー分も含め4つのココナッツドリンクを購入した。このドリンクは生のココナッツの実の中になるココナッツ水を飲むものであった。火照った体には丁度いい水分だった。


ココナッツドリンクを飲んでいたら、なんだか南国気分に浸れた。露店の正面に置いてあったベンチに座り僕たちはココナッツドリンクを飲み干した。その間中、アンコール・ワットの堀の水上を通った風が心地よく吹いてきた。なんだか幸せを感じるひと時だった。僕たちは、アンコール・ワットでのまったりとした時間を楽しんだ。


僕「そろそろ、ホテルへ向かいましょうか。」


ニャン「わかりました。」


山田「そうしましょう。ホテルへ戻ってからはどうします?」


僕「オイルマッサージへ行きたいと思っていますけど。ニャン君、おすすめのお店ってありますか?夕食はその後、ニャン君も一緒にたべましょうよ。」


ニャン「食事の招待ありがとうございます。いいお店があるので僕が予約しときましょうか。予算などはありますか。それとマッサージ店はホテルの系列のお店が割とお手頃価格ですよ。叔父に行ってお店に予約を入れておきますね。ホテルへ戻ったらすぐでいいですか。それともこのままマッサージ店へいかれますか。」


僕「じゃ、このままマッサージ店へいっちゃいますよ。山田君はどうしますか。」


山田「俺もマッサージしちゃいたいですね。遺跡巡りは、結構、歩きましたからね。足が張ってきていますよ。」


僕「ニャン君。それじゃ、このままマッサージ店へ連れて行ってください。よろしくお願いします。」


ニャン「わかりました。2時間のコースで、日本円で3000円ぐらいです。帰りは、お店からホテルまでのトゥクトゥクで送迎しますよ。安心してください。」


ニャンはそういうと携帯電話でニャンの叔父へ連絡をとりマッサージ店の予約を入れてくれた。


僕「夕食もニャン君おすすめのお店で大丈夫ですよ。予算は特に気にしないでください。今日はニャン君と山田君にも僕の遺跡探訪に付き合せちゃったんで、僕がごちそうしますよ。安心して下さい。」


山田「ご馳走様です。夕食も楽しみです。」


ニャン「わかりました。僕のおすすめのお店に予約入れときます。三人でおそらく10000円しない程度です。」


僕「了解しました。そのお店で予約しといてください。よろしくおねがいします。」


ニャン「いま、マッサージのお店も予約がとれました。お店でコースを聞かれると思いますので、選んでください。」


山田「オイルマッサージって、初めてなんでちょっとドキドキしちゃいます。」


僕「山田君、普通のマッサージですから大丈夫ですよ。エロさはないですから。」

 


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