第3話 Abroad(出国)

今回は、まずは成田から香港へ行くことになるため、ウエイティングルームは、日本人観光客とビジネスマンが、所狭しと集まっていた。会話の言語も英語や広東語、日本語が入り混じっている。まさに日本の空の玄関といった雰囲気そのものだ。


僕と山田は、ウエイティングルームのソファーに座り、旅立ちの時間を今か今かと待っていた。その間に僕は、フェイスブックへ渡航前のアップを行った。搭乗アナウンスもあちらこちらから、英語で聞こえ始めた。僕と山田もいよいよシェムリアップへの旅立ちとなる。今回はトランジットが香港なので、まずは日本から香港への旅立ちへとなる。搭乗アナウンス開始、早々に機内へ向かった僕と山田の二人だった。


機内は、平日ということもあり、若干空席もあるようだった。同じ飛行機へ同乗している人も何かの縁で一緒の飛行機に搭乗なんだろうなっておもうと、少々不思議な気持ちになった。僕は、前回のハノイ行きの機内で山田と出会ったことを思い出していた。


離陸後、1時間程度し、機内食の時間となった。いつものようにチキンかビーフといった質問をされた。それと同じ時間で機内での香港の入国書類の配布が始まったが、僕と山田は今回の入国はカンボジアのため、その書類は不要であった。ぼくたちが搭乗した成田から香港までのフライトでは、そんなに揺れることはなかった。


そういえば、成田からシンガポールへ行くときは、カリマンタン島のあたりで、エアーポケットがあるようでかなり揺れる。ルートによって、これまでもフライトの安定性が違うんだなって感じた。機内では、僕は今年流行っていたアニメのムービーに見入っていた。機内のムービーも僕にとっては楽しみの一つである。


そうこうしていると、あっという間に香港国際空港へ到着した。乗客たちは、コンパートメントから、それぞれの荷物を降ろし、空港内へと向かう出口への順番を待っていた。僕と山田は、香港でのトランジットのため乗り換え口へ向かうこととなる。僕たちの順番になり、飛行機から一歩進み踏み出した。カーペットの上をゆっくりと歩いていく。異国の香りがなんとなく香ってくる。香港の香りは、なんだかサンダルウッドの香りがした。


山田「酒井さん、香港へようやく到着しましたね。思ったより日本から近くに感じましたよ。なんだか俺、感動していますよ。世界の国際都市の香港に今まさに、俺がいるなんて考えるだけで。」


僕「そうですね。陽もまだありますしね。香港はいつ来ても活気が満ち溢れています。この躍動感というかエナジーはいつ来ても気持ちがいいですよ。山田君も国際人ですね。」


山田「酒井さん、そんなに俺をからかわないでくださいよ。恥ずかしくなっちゃっていますよ。」


空港内を行きかう人々は英語で会話をしていたり、中国語、韓国語、そのほかの国の言葉が飛び交っている。やはり、アジアの国際ハブ空港だけはある。トランジットの電子看板を見ると、僕たちのトランジスタのゲートの案内表示が見えてきた。その看板の指示通り向かっていった。こういう時いつも思うのだが、英語は、やはり世界の共通語だなっておもう。僕は、英語表記されているとなんだかホット一安心する。


今のところ、僕と山田の旅程は順調である。入国ゲートと、トランジットのゲートが分かれていた。僕と山田は、案内看板を確認しながら、改めて僕と山田の搭乗ゲートを確認する。ディパーチャーの電子掲示板が確認とれた。


僕たちの乗り継ぎフライトは、KA240であった。案内電子掲示板を確認したところ、505ゲートと確認できた。近くでインフォメーションをしていた空港職員へ505搭乗ゲートへの道のりを訊ねた。


香港国際空港は久しぶりで、25年ぶりぐらいぶりだった。25年もたてば様子もかなり変わっていた。香港国際空港は、アジアのハブ空港だけあってトランジットをする乗客で以前より、さらにごった返していた。おそらく、香港へ入国する人たちより、はるか乗り継ぎ客が多い気がした。トランジットの出発スケジュールはかなりの便数がある。日本の成田国際空港でもここまでの便数はないと思う。


僕たちのフライトは、香港経由シェムリアップ行きのフライトである。香港第一ターミナルから空港バスに乗り、3分程度離れた搭乗口へ向かうようだった。乗り継ぎ電子掲示板にはそこまでは詳しく表示はなかった。ゲートナンバーのみの表示になっている。


香港へも以前、入国したことがあったが、25年ぐらい前のため、九龍城という言葉がまだあったころだ。九龍城と聞いて時代がわかると思うが。あちらこちらで広東語が飛び交っている。このバックミュージックのように聞こえる外国語で日本を脱出したなって感じを実感する。国際空港らしく、母国語と英語表記の看板が目立つ。所々で日本語の看板もある。


到着した時間が、香港時間の14時20分だった。香港の空は、まだまだ明るく安心できる。これが、夕間暮れの時間帯であれば、慣れていない土地では少々不安もあるかもしれない。


僕と山田は、乗り継ぎ便の搭乗時間までは、3時間あるため搭乗ゲート近くのスターバックスか何かのカフェでレストとしようという話になった。


あらかじめ、僕は、ネットでその場所はリサーチ済ではあった。


山田「酒井さん。俺、香港国際空港は初めてなんですが、結構きちんとしていますよね。

さすが、国際都市、香港って感じです。トランジットの人たちも多国籍で、海外旅行しているって感じがしますね。」


僕「そうだよね。僕が香港へ最初に来たときは25年ぐらい前でした。その頃は、まだまだ国際都市香港とはいえ、まだまだ不便な空港でしたよ。それに、山田君は知らないでしょうけど。香港には、当時、九龍城というマフィアなどの巣と言われた建物もありましたね。今は、取り壊しになって跡形もないですけどね。」


山田「そうなんですね。香港ってなんだか怖いところなんですか。というかマフィアっていう言葉が合いますよね。そんなイメージがします。これって俺の偏見ですけどね。」


僕「まぁ、昔は香港って怖いイメージがあったんですけドね。今は、日本のように治安がいいとは言えませんけど、国際都市化し治安も徐々に良くなってきてますけどね。ところで、乗り換えのゲートは505ですね。ドランゴン航空という会社の飛行機みたいですけど。キャセイ・パシフィックと共同運航でしょかね。香港時間の17時30分、離陸ってなっていますね。」


山田「香港と日本の時差は香港時間が-1時間ですね。日本時間では18時30分ってことですね。」


僕「そうですね。時計をいちいち現地時間へ合わすのは、手間なのでこのままでいいかなって思いますね。」


山田「俺もそう思いますね。っていうか、香港国際空港ってきれいですね。ハノイのノイバイ国際空港と同じ感じですが、ハノイよりも活気があり、アジアのハブ空港って感じがしますね。」


山田「俺たちの搭乗口は、どのあたりでしょうね?」


僕「もう一度聞いてみる?」


山田「案内版を辿っていけば、どうにかつけるんじゃないでしょうか?」


搭乗口は、505となっており、香港国際空港の第一ターミナルには間違えないんですけど搭乗口が、バスに乗車して移動することとなっていた。おそらく、成田国際空港でいうところの第三ターミナル的な存在なんだと思う。


               


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