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I tell you this story ...
This is a very spooky ...
But, you like this like this, right?
I talk even if you hate it.
Please understand ...
目が覚めた。時刻を確認しようとするが部屋が真っ暗で何も見えない。とりあえず照明を点灯させるために起き上がる。そしてつける。まぶしい。しかしそんなものにはすぐに慣れる。
時刻は、午前一時ちょうど。おかしい。寝たのは零時半だったはずだ。まだ三十分しか寝ていないというのに、なんだこの、すっごく寝た感じは。目覚めがよすぎる。怖い夢でも見ていたというのか。
もう寝れそうにない。しょうがないから、家の中を歩き回ることにした。この家は広い。独り暮らしの一軒家であるのに、無駄に広すぎるまるで屋敷のような。そんな家。使われていない部屋も多い。最近、誰かの気配がするようになったくらいだ。しかしそんなことに脅えはしない。むしろ幽霊でもなんでも、この家に住み着いてくれるのなら、寂しさが解消する。それは俺にとってはとてもいいことであるからだ。俺の寝室だって四十坪くらいあるんだぞ。広いだろ。おかしい。
誰が家賃とか払ってるのか知らんが。
住み着いているらしい幽霊らしきものたちに会いに行くのもいいかもしれない。害のあるものでないならば、もしかしたら友達になることだってできるかもしれない。実体があるものなのか無いものなのか。あったとしてもその容姿はとても不気味で恐ろしいものなのではないか。しかし、そんなことなど一切関係ないのだ。独り暮らしで心が寂しくなった俺にとっては何者かが家にいるだけで、それだけで寂しさが無くなってくれる。妄想するだけでいい。もしかしたら、この気配というものは、俺の寂しさが作っている幻なのかもしれない。でも、それでもいい。落ち着くからいい。
部屋の外に出る。寝室は自分の部屋であるから、好きなものを大量に置きすぎてまるでゴミ屋敷の様であったが、ほかの部屋は一切ものがない状態であるから、何とも殺風景で、これは宝の持ち腐れというか、宝箱の中だが中身はないとかそういうことかもしれない。長い廊下が続く。ところどころにドアがあって、それぞれ寝室となっている。数百メートル先の廊下の最後の突き当りには、非常に広い食堂とでもいうかのようなリビング。百人は余裕で座れそうな大きな机。業務用のキッチン。
そこを抜けると、数メートル先に応接室のドアがある。通り過ぎると玄関がある。玄関も広いとかそういうレベルじゃない。広大だ。ここは何だ。家か。家なのか。いいや違う。
そういえばこの建物はもともと……何だっただろうか。精神病院だったろうか。覚えていない。
家は五階建て。このスケールのものがさらに上に四つあるわけなのでもうおかしい。よく独り暮らしができるものだ。
五階になんてめったに行かないから、ほこりとか虫とかすごそうだ。絶対に行きたくない。でも、ひまなので全部屋巡るツアーでもしよう。まずは一階から見てみるとしよう。なんだか全部屋から何者かの気配がする。これは完全に誰かが勝手に住み着いている。人間か、幽霊とかか。いずれにせよ、俺の心を満たしてくれる存在ならどうでもいい。
一部屋目。中は真っ暗なので照明を点ける。明るい。誰もいない。ただ、何者かの気配は確実にする。
「Anyone here?」
そう問うが返事はない。しかし気配が強くなった。まるで目の前にいるかのような。
「Let's shake hands」
そうやって手を差し伸べるが、感触はない。しかしいっそう気配が強くなった。耳鳴りがする。きーんと。次第に耳鳴りは低くなっていき、言葉が聞き取れた。
「Were you looking for me?」
そうきこえた。
「Yes」
「...But, I can't stay with you. Me only...」
「Why...?」
「Because I'm a ghost. Make our desires ultra big when we are with living persons. Maybe can kill you」
「I see...」
「But the fact is I wanna stay with you, really」
「Okay...see you. Please be quiet in this room. Just feeling your sign will fill my heart. Yeah」
そういうと俺は部屋を出た。実体のない相手だ。よくわからなかったが、声を聞けた。この調子なら。
最後の彼女の気配が、鋭くなったのを見逃した。
「Next rooms...」
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