夢から覚めるならせめて幸福に。
ふと義父の方を向くと、彼も白骨化していた。
今度は死体には驚かなかった。
ただただ恐ろしい時の流れである。これには驚愕するばかりだ。
慌てて視線を義母に戻すと、彼女もまた白骨化しているではないか。一瞬で一世紀くらい時が飛んだようだ。
なんというファンタジーなんだ夢の世界。何でもありかよ。
そうして僕の意識とは関係なく時は流れ、通りから聞こえる喧騒も消え、家は老朽化し崩れていった。
周りに生き物の気配はなくなり、座り込んだまま世界が終わっていくさまを超高速で見せつけられた。
周りにある何もかもが尋常ではない速度で朽ち果て、土に還っていく様は圧巻だった。
いつしかこの自分以外の全てが消失していく事実と孤独感に堪えられなくなって目が覚めた。
にしても何故ガーリックチップだったんだろうか。
現実で試そうとは決して思わなかった。
夢の話『養子編』 @nosuken
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