〈2〉

雑草生活を始めて、かなりの時間が経った。

毎日毎日代わり映えのない日々、退屈すぎる。


空気の流れを探る以外、することが無いのだ。


そのおかげか視える範囲が倍近く広がった。

これで自分を中心に半径3mぐらいは把握できるようになっている。


────まぁ、自分が人間大のサイズだとしたらの話だが。


実際は○cm、○mmという、世界だろう。


自分は雑草なのだから。


というか未だに自分が群生している雑草ということしかわかっていない。


この状況下では他のことを知る術がないのだ。


もし、ここが異世界で魔物や魔法が飛び交う世界なら、ただの雑草として生まれ変わったとしても少しは

楽しいのかもしれない。


まぁこれほどまでに魅力を感じない異世界転生など死んでもゴメンだが。


あぁ、もう本当に、“ステータス”とか唱えたら自分の詳細が表示されるとかないだろうか…




───そう思った時だった。


突如として目の前に透明な画面が浮かび上がった。


━━━━━

ベビーウィード

種族:魔物

体長:5cm


Lv1

生命力:1

攻撃力:1

防御力:1

機動力:0

魔操作力:2

魔総量:1

魔抵抗力:1


実績:

「大罪」


評価:

微量の魔力が流れているため、一応魔物に分類されるが、自らの力では何も出来ず、ほとんどただの雑草と変わりない。無害である。

━━━━━


───嘘だろ。


なんだこれ…まさに“ステータス”画面じゃないか…


自分がこの画面は幻か何かか…?


自身の“雑草転生”に続く非現実的な出来事に頭を掻き回される。


ん?待てよ、?──「なに」で?


自分には「目」は無いはず…


しかしステータスは確かに目の前に浮かんでいる。こ

れは現実だとでも言うようにはっきりと。


───理解は出来ないが一旦落ち着こう。


状況から察するに、今いるこの世界は私がいた世界ではない。


少なくとも私の記憶ではこんなステータスプレートのようなものは存在しなかった。


在るとするならば、それこそ異世界をモチーフにした“ゲーム”か“物語”だ。


───自分は、もしかしたらとんでもないところに転生してしまったのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生先が雑草とか、勘弁してくれ… えぐぼっき @ultimate_ito

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る