-25-「案件」

伊月

「水本のナニは爪楊枝。髪の毛一本のがよっぽど立派である。」



八幡

「きゃっきゃ。」



水本

「それもうやめて!ねぇ!曲げたり潰したりしちゃうよ!?ねぇ!」



水本のナニネタを手に入れた俺は、他の2人に披露したわけだ。


八幡がめっちゃウケとるんだよな。


対して木島はあんまり反応しない。



木島

「そうかぁ。そうだよなぁ。健やかに成長したまえよ。それにしても敬語も抜けて、良い感じではないか。打ち解けられたのだなぁ。」



伊月

「いや、なにその反応は。」



木島

「うーむ。データリストに載ってたからな……。」



水本はあっという間に茹でタコになった。


口をパクパクさせ、手をジタバタさせ、もうどうにもいてられないことがよくわかる。



木島は、少し罪悪感を覚えたのか、水本の肩に手を置いた。



木島

「恥ずかしがらんでもいい。同い年と大して変わらんと思うぞ。」



謎のフォローが入り、水本は泣き出してカウンターの後ろに引っ込んでしまった。



木島

「あれ。間違えたかな。」



乙男の純情を弄ぶな。



伊月

「しかし、木島は下ネタ抵抗あるんだな。」



木島はそう言われて、ちょっと呆ける。


やがて、ほんのり頬を赤らめて、目線がうろちょろとし始めた。



木島

「い、いや。誤解しないでくれたまえ。データはあくまでデータなのだ。私はその意味とかを知らないが、数値だけは把握してるのだよ。


私だって、その、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。」



まぁ、バスト何cmって数値聞いただけで興奮する奴なんざそういないわな。


そういうのは、実物見てこそだ。なるほどな。



で、八幡は聞いてもないのに割り込んでくる。



八幡

「私は下ネタめっちゃ好きっすねぇ。興味もありやすねぇ。ねね、旦那は何回ヤってんすかぁ?気持ちいいんすかぁ?」



伊月

「フフ、1万と2000回くらい愛したぜ。」



嘘。俺、女作ったの高校ん時1回だけ。ヤったのも1回だけ。


しかも全然気持ち良くなくて、より一人遊びに傾倒していった者。



八幡

「嘘っすね。旦那ぁ、女と息合わせてイケる性格の人間にゃ見えねぇっす。」



ほんと、ほんとやだこいつ。


データリスト見える木島より、嘘見抜くの得意そう。あっという間に暴かれちまう。



八幡は俺のへそをくりくりと指先でなぞる。



八幡

「やりやしょうぜ。旦那の好きなように使ってくださりゃいいんで。上手くイキどころ見つけますんで。


いやー、JC2ともなると興味ありありっすよ。ねぇ、リーダー。」



木島

「え!?


え、えー……怖いので、自分はいい。」



八幡

「カーッ、処女!つまらん処女っすねぇ!


リーダー、この年の女は性欲の獣っすよ。角張ったものを見れば興奮して擦り付けちまうんすよ。」



木島

「そんなことはないと思うのだが……。」



いつの間にか、水本はカウンターから出てきて2人の話を聞いていた。超内股で。



伊月

「あー、お楽しみの最中に失礼。依頼が来てんだが。」



そう言うと、3人はビシッと切り替えて俺の前に集まる。



木島

「よし。案件は?」



八幡

「次こそ撃ちまくれる奴っすよね、旦那ぁ。」



水本

「よーしっ。」



伊月

「心意気や良し。じゃあ座れ、説明する。」

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