§2 犬ってかわいいよね、伊月君。

-9-「招来」

あれから3日が経つ。


今のところ、怪しい雰囲気はない。順調に生活出来ている。


Openers相談所を開設するとしたあの日から、3人はやってきていない。


なにしてるか凄く不安である。


めっちゃ不安である。



不安すぎて、駅前に出てきた。



そしたら案の定だったよ。


3人は、怪しげなチラシを配って回っていた。



木島

「悩み事はいつでも相談に乗るので来てねー!」



水本

「お、お願いしまーす……。」



八幡

「オカルトな悩みとか事件・事故とかね。そうじゃないのは警察行くんだよ。」



俺は目の前が真っ暗になった。


あのあと、どうやってバーまで戻ったか記憶にない。



俺はカウンターに突っ伏していた。


バカ。アホ。オタンコナス。後先考えなさすぎだろ。お前ら絶対将来どこかで後悔するからな。いや、俺が後悔させてやるからな。覚えてろよ。



ぶつぶつと呟いていると、バーの扉が開かれた。


やべ、鍵閉めてなかった。……まぁいい、あのアホどもだろう。



しかし、そこにいたのは子どもではなかった。


犬を抱えた男。不安げな顔をして、突っ立っている。



「ここがOpeners相談所ですか?」



伊月

「は、はぁ。まぁ……そう、なっちゃいますね。」



始動してしまった。相談所が。


さよなら、俺の平穏な日々。

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