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ダサい男子!?
私はショートヘアだし、パンツ履いてるけどれっきとした女だ。
通行人の会話を聞きながら、諸星はクスッと笑った。私よりも可愛い乙女みたいな笑顔。悔しいけど、私の敗けだ。
beautiful magicから徒歩二十分、白い外壁の可愛い洋館の前で諸星は立ち止まった。
「ここがbeautiful magicの男子寮。以前は役員専用の社宅だったけど入居希望者がいなくて、今はシェアハウス。男子寮として使っている。
「シェアハウスですか……」
「五LDKでキッチン、リビング、バス、トイレは共有スペース。共有スペースの掃除は分担制だったけど、今は仕事が忙しくてなかなか出来なくて。錦織さんにしてもらえると助かるよ」
「私に……出来るでしょうか」
諸星は笑顔で鍵を開け、室内に私を招き入れた。
玄関は一見綺麗だ。
でもリビングに一歩足を踏み入れると、そこには脱ぎ散らかした洋服や、カップ麺やお弁当のトレイの山。
beautiful magicの男子寮が、こんなゴミ屋敷になっているなんて、ショックを通り越して幻滅だ。
「一階はリビングとキッチン、バストイレ。個室が二つ。二階にもバストイレがあるんだ。個室は三つ。二階は鳴海店長と、僕と波瑠さんの部屋。一階は蓮さんと錦織さんの部屋。錦織さんは僕と同い年だよね。類って呼んでいい? 僕は捺希でいいよ。一応鳴海店長以外は、下の名前で呼ぶことになってるんだ。お客様にも親しみやすいからって、鳴海店長の指示だから、類もそうして」
「はい」
ていうか、私の部屋はあの香坂蓮の隣!?
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