始業式

 雲ひとつない青空。清々しい月曜日。


 夏休みが終わり、今日から二学期というクソみたいイベントが始まる。


 暑いし、この青空が嫌味に感じる。


 長い休みの後はいつも同じことを思ってしまう。あの長い休みは夢のようなものだったんだと。休みの日は一日十二時間くらいしかないんじゃないんだろうか。十二時間というもの気持ち的には多めに見積もっている。


 でもまあ、今日だけは許す。


 夏休みや冬休みなどの終了の翌日は、授業などは行われず、始業式からのホームルームで担任の先生の話を聞き、通知表などの提出物を出して、昼までに解散という楽なスケジュールとなっている。


 しんどいのは二日目と三日目だ。課題考査があるし、休み中の各教科の課題もこの日に出すものが多い。さらには課題考査のあとに授業があるという最悪の六時間

授業編成。休みに慣れただらけた体にとって、この詰込み具合は地獄すぎる。滅べばいいと思う。


 だが、今回に限っては許す。


 何故かというと、今の僕には関係の無いことだからだ。


 僕の学校では三年生のほとんどが、大学入試を控えているということもあって、自分の受験勉強で忙しいだろうということもあり、夏も冬も休み期間中の課題無し。さらには休み課題がないので、課題考査も無い。


 勝ち組である三年生の僕は、これから待ち受けている地獄のスケジュールに暗い気持ちで登校してくる人とは違い、いつもよりちょっとしんどいというくらいでテンションの減少の幅が小さめだ。


 まあ、頑張るんだな。僕だって二年間は耐えたんだ。


 勝ち誇った顔をして、名前も知らない後輩たちに心の中でエールを送ってあげる。


 さて、学校が終わったら何しようかな。ゲーセンにでも行こうかな。


 この時の僕は当然、この日自分の身に起こることを知る由もないのでそんな気楽な事を考えていた。

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