第4話
「久しぶりだな。真祖。」
「私にはオリブレアと言う名がある。ラインハルト。」
「そうか、オリブレア。1つ問おう。奴らはNSDAPだな。」
「否定しない。」
沈黙が降りる。緊張感が漂い、自動拳銃に手をかける。その時沈黙が突如破られる。
「オリブレア!奴等だ。」
背後の扉が開く。駆け込んできたのは若い、白人。
「貴様ら、誰だ!」
「ダヤン。彼らは英国国教会の人間だ。対吸血鬼のプロ。NSDAPの敵だよ。そうだろうラインハルト。貴殿にはNSDAPに恨みがある筈だ。隠し事が有るだろう。」
背後ではヴィクトリアがこちらを伺う。薄々気付いて居ただろう、エリザは何も言わない。セレスティアいや、ティアは俯き、俺の左手を握る。
「……何処まで知っている。俺の何を知っている。」
「Planen Sie Werwolfの内、金色の一体。そうでは無いのかね?」
「……っ、それは!」
「無理に答えなくて結構。ダヤン、何事かね。」
「あ、ああ。ドイツ選挙で大統領が変わった。ドイツ統一党から出た。それのバックにはトゥーレが居る。軍拡も始めた。」
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ドイツ連邦共和国軍
第一装甲師団マクシミリアンⅠ
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夫々の対応策をとるため、帰国の運びとなった。黙ったまま、誰も口を開かず重苦しい雰囲気が漂う。戦略輸送機制式番号C-007。フォートレスの愛称を持つ、この機体は超高度を飛ぶ為、地上のレーダーに引っ掛からない為に俺達がよく利用する。
ティアとエリザは窓から地上を眺め、俺は持ち込んだ書籍を読む。焦れた、ヴィクトリアが俺に問いかける。
「ラインハルト先生、さっきオリブレアが言ってた事って何なのですか?」
「俺は厳密には人間じゃない。NSDAPの計画によって生産された超人の1人だ。そのうち、吸血鬼をモデルに生産されたタイプBでもある。」
「えっ?じゃあ幾つになるのよ……セレスティア卿とは幼馴染の婚約者なんでしょう?」
「セレスティアは俺達超人の解放作戦の際に吸血鬼に噛まれ、適性から真祖になった。俺を救う為にな。俺はその頃大陸派遣軍の1士官でしかなった。本来なら俺は90幾つだ。セレスティアもな。」
「超人は?」
「NSDAPが提唱した新たな支配人種だが、無限の寿命に、人並み以上な頭脳位しか得はない。俺は吸血鬼がモデルだから、力も吸血鬼、それも真祖クラス並だが。」
「それなら、何故セレスティアと結婚しないの?」
「リア。それは私とハルトの話です。」
更に空気が悪くなる。眼下の景色は俺の心境を表すようにどんよりと重苦しく暗雲が垂れ込めていた。
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