第3話

「緊急御前対応会議を開催します。」


「サー・ラインハルト・ティルボードと私の連名での方向書を提出します。」


女王陛下の御前で開かれた対応会議。女王筆頭侍従の進行に合わせ進む。

かの吸血鬼によるとトゥーレにミレニアム。つまりはトゥーレ協会に千年王国。意味する事は1つだろう。NSDAPだ。クソッタレ共が生き残ってやがる。


「誠にその真祖はトゥーレにミレニアムと言ったのだな。」


「ああ、つまりは隠す気がない。いや、真祖には無いと言うことだ。」


侍従長官は眉を顰め、議事進行の侍従は目を眇めるが気にしたことでは無い。俺が女王陛下直々にこの態度、口調を許可されているのだ。


「つまりは表すことは一つか。」


「そうですね。真祖の主はモサドでしょう。」


「陛下、どうする?」


「そうね、ラインハルト卿。卿ならどうします?」


「黙殺、慣れど監視しかない。」


「そうでしょうね。彼らは間違いなく認めない。」


結論は一応は質問を送るものの監視に留めると言う決定である。セレスティアと俺は女王陛下の命令で残された。他には侍従長官しかいない。


「彼らは気づかなかった様ですね。」


「つまりはナチの糞共が生き残っていると言うことだ。SSの吸血鬼計画は事実だったらしいな。やつは、太陽の出る時刻に彷徨いていた。」


「似て非なる物ですね。一応死体を解析した所。吸血鬼に酷似していますがどちらかと言えど血液を媒体とした強化人間の方が近い様です。モデルは恐らく真祖なのでしょうけど。」


「わかりました。両名、中東に向かいなさい。調査を命じます。」


「了解だ。駄賃は?」


「追加で1万ユーロ出しましょう。」


「真面目にやるさ。俺に任せろ。ヴィクトリアはどうする?」


「メンバーは貴方とティア、リアにエルザに任せます。行きなさい。」


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中東唯一のユダヤ国家。イスラエル。軍事大国であり、米英との関係も深い。

我らの世界においては対化物のプロを多数要する大国であり、化物を対化物に使用する事すら厭わない。まぁ、国内にはこの時ばかりは協力体制を敷く、カトリック・プロテスタント・正教会の内通者やらスパイやらが山のように入り込んではいるが。

アラブ側のスパイも多く、密偵の都とも言えるだろう。その中での隠密行動の難易度は非常に高い。

まぁ、大英帝国の人員を使い潰して真祖に対面する事が出来たが。イスラエル派遣の諜報員はある種、懲罰的人事である。何故なら非公式に送られる大英帝国国教会の人員など、いつ殺されるかも分からないからである。つまりは、世間的に有名な俺たちは中々殺られない。大きな扉を開き、俺達は真祖のいる屋敷に足を踏み入れた。

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