第9話いとこと俺とお揃いと

俺は少しうつむきながら、結愛ゆめはニコニコしながら歩いていた。

「お兄ちゃん!ちゃんと前見て歩かなきゃダメだよ!」

「お前なんでそんなに嬉しそうなんだよ!?」

「えーだって、お揃いだよ?嬉しいじゃん」

確かに高校生の時は彼女とペアルックをしてた気がする、でも俺は年の離れたいとこだ。

「お兄ちゃんは嬉しくないの?」

嬉しいわけがない、どちらかと言うと恥ずかしい。

「なんでお前とペアルックで俺が喜ぶんだよ!」

結愛がいいならいいかと思い気を取直し買い物を続ける事にした。


「よし!日用品とかは買ったし、後は布団と食材だな!」

「ねぇねぇ、布団どうやって持ち帰るの?」

しまった!全く考えてなかった。

俺らは電車で来たし、俺は車など持っていない。

「…そうだなぁ、どうしようか。」

少し考えて俺は父親に電話をした。


『プルルルルプルルルル』

「あー今大丈夫?」

「おーどうした?」

「今結愛の布団買いに来てんだけど、家まで運んでくれない?」

「準備してなかったのか?」

「いやいや準備もなにも俺知らなかったじゃん。」

「あーそうかそうだった、わかった行くよ。」

「てか、買って!連絡ミスしたんだから買って!」

「お、おう。とりあえずすぐに向かうよ。」

「頼んだ!」

『ツーツー』


電話を切り布団を見に行く事にした。

「なんか適当に誰でも使えそうなやつ選んどいてくれ。」

「わかった!」

「選んだら父親に画像送って買わせとくから。俺はちょっとトイレ行って来るから。」

「んー行ってらっしゃい。」

結愛に選ばせてる間、俺は喫煙所に向かった。


カチッ

タバコに火をつけイスがあったので腰を落ち着かせた。

(いやー疲れたー帰ったらダーツバー行ってお酒でも飲もう!)

ゆう!」

喫煙所の扉の方から声がした。

「なんだ咲良さくらか、なんで居るんだ?」

「なんだって何よ。買い物のに来たら見かけたから。一緒にいた女の子は?誰?彼女?」

どうやら結愛と居るところを見られたらしい。

「彼女な訳ないだろ。いとこだよ!」

「えっ?でもペアルックだったじゃん。」

「あーそれはだな…」

言い訳をした所で意味ないと思い、正直に話した。

「なんだ、そーゆことか。可愛いね。」

「明日、何時来るのかだけ連絡しといてくれ、じゃ!」


少し長い時間抜け出してしまった為、早足で結愛のもとへ戻った。

まさか咲良に会うとは思わなかった。

結愛がイスに腰をかけていた。

「ごめん!友達に会って話してた!」

「遅いよぉ…」

「ほんとごめん!買い物続き行こうか。」

結愛はイスから動こうとしない、

「…ィス。」

「ん?」

「アイス食べたい。」

こうなると結愛は全く動かないので、言う事を聞く事にした。

「アイスな、行くか!暑いし待たせちゃったからな!」

歩き回って買い物して疲れたから丁度良かった。


サーティワンに入り結愛は沢山ある中からすごく迷っていた。

「どうしよー迷うー。お兄ちゃんは決まってるの?」

「いやー俺はいいかなぁ。」

「えーなんでー。食べようよー。」

いつの間にかご機嫌になっていた。

「じゃー4種類選ぶから一口ずつ交換しよ?」

「あーわかったよ。好きなの選べ。」

結愛は店員さんに4種類アイスを頼んだ。

アイスを受け取り、店内のイスに座った。

「じゃー、一口ずつ交換ね!」

結愛はすごく笑顔で食べていた。

「んーおいしー!ありがとお兄ちゃん!」

「あー。喜んでくれて良かったよ。」

無邪気な感じもまだあり、やっぱりまだ子供だなと思いながら食べ進めた。


「さー後は布団は頼んどいたから、食材だけだな!」

「そうだね!家の近くのスーパーでしょ?」

「荷物もあるしそうだな!」

電車で最寄りまで戻り、スーパーに向かった。

「今日この後ダーツバー行くんでしょ?」

「そうだけど?」

「じゃー結愛が買ってくるよ!ここなら帰り方分かるし!」

結愛が気を使って行ってくれると言うので、俺は甘える事にした。

「大丈夫か?まーお願いしようかな?」

俺は結愛にいくらか渡しダーツバーへ向かった。

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