第8話いとこと俺と買い物と

昨日は相当疲れていたので、2人して昼まで寝ていた。

「あー体痛ぁー」

ソファで寝てたせいで腰が痛かった。

「んーおはよー…。」

「あーおはよう」

寝ぼけながらも聞いていたらしく結愛ゆめが言った、

「だから一緒に寝れば良かったのにー。」

「そーかもな、準備して出かけるぞ!」

軽く流しつつ俺は続けた、

「布団に食材に消耗品に…、結愛何か必要な物あるか?」

「んー洋服とスマホとお財布と一応生徒手帳しか持ってきてないよ?」

俺は必要そうな物を考え、2人は服を着替え家を出た。


電車で何駅か行った所に大型のショッピングモールがあるのでそこに向かう事にした。

結愛は昨日買ってもらった服をきてすごくウキウキしていた。

ショッピングモールにつき結愛が言った。

「大きいね…」

「まーそーだな、これでも小さい方じゃないか?」

確かに大きい場所だが、ちょっと前に咲良さくらと行ったショッピングモールに比べたら小さい。

「これで小さいの?私の所畑しかないし、そんな出かけないから完全に田舎から来た人じゃん!」

(いや、事実だろ。)

「いやーそれにしても暑いなー早く中入るぞ!」


「「寒っっっ」」

中はかなり冷房が効いていて、2人は口を揃えて言った。

「揃ったね!」

結愛が嬉しそうに覗いてきた。

「とりあえず羽織る物買おう。」

俺も結愛も寒がりで冷え性だったからこの寒さの中で買い物はキツイと思った。

店内の案内板を見て服が売ってそうな所へ向かう事にした。

「平日なのに人多いなー」

「だってお盆だし夏休みだよ?」

俺は完全に頭からその2つの存在を忘れていた。

「ねー、はぐれそうだから手繋いでいい?」

「なんでだよ!スマホあるんだから連絡取りあえばいいだろ。」

「いいじゃん手繋ぐ位別に…」

ブツブツと何か言って下を向きながら後ろを付いてきている。

俺は立ち止まった。

ぽんっ

「わっ!急に止まらないでよ。何?」

「はー…、わかったよ!」

俺は手を差し出した、結愛は俺の手を握り笑顔になった。

「繋ぐから、そのかわりちゃんと前みて歩け。」

「うん!わかった!」

また甘やかしてるなと思いながら俺も結愛の手を握った。


「いらっしゃいませー、どうぞご覧くださいませー。」

メンズもレディースも置いてあるお店に入った。

あまり服を買いに行く事がないのでせっかくだからゆっくりと見ていると、

「カップルですか?どういった物お探しですか?」

店員さんが話しかけてきた。

俺はこういったのが苦手だったからすぐに返答した。

「カップルじゃないです、いとこです。モール内寒いんで軽く羽織れるもの探しに来ただけです。」

「申し訳ないです!ごゆっくりどーぞ。」

あまりにも冷たく言ったせいで、すぐにレジの方へ戻って行った。

「お兄ちゃん冷たーい。カップルって言われたくらいいいじゃん!」

別にそこが嫌だったわけでわないが、

「訂正するくらいいいだろ。苦手なんだよあーゆうの。」

「ふーん。」

何か言ってくると思ったが、ニコニコしてまたブツブツと言いながら服を見に戻って行った。


15分位経った。

「決まったか?」

「ううん、お兄ちゃんは?」

「いや俺もまだだけど…」

結構種類があったので2人とも迷っていた。

「じゃあさ、お互いに選ばない?」

結愛が提案をしてきた、

「あーおもしろいな、そーするか!」

結愛はメンズコーナーに向かった。


結愛の今日の服を思い出しながら考えた。

とはいえ、レディースファションなんてよくしらない。

感覚的に合いそうな物を探すしかなかった。

白いワンピースに合いそうな物は何かを考えた、カーディガンしか出てこない。

それだと少し薄くて寒い気がすると思い他を探し、1つピンとくる物を見つけた。

結愛の方を見てみると最初から決まったようで、後ろに服を隠してこちらを見ていた。


「決まってるようだな!」

「うん!お兄ちゃんも決まったみたいだね。」

2人とも後ろに服を隠しながら話した、俺は意外と早く決まった事に驚いていた。

「じゃーせーのでだそ?」

「OK!」

「「せーの。」」

2人は似たようなデニムジャケットを選んでいた。

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