第4話いとこと俺と連絡と

「ふわぁぁ。」

「おはよ!」

「あーー。おはよう。」

目が覚めたらもう18時になっていた。

「よく寝てたね!」

「…ん?あーうん。」

「ごはん食べる?作るよ?」

「いや…、」

断ろうとも思ったが、少しお腹空いていたので、

「あーじゃーお願いしようかな。」

「わかった!」

結愛ゆめは読んでいたマンガを閉じキッチンへ向かっていた。


俺はベランダに行ってスマホを開き父に電話をした。

『プルルルルプルル』

「おー。どーした?」

「いや、どーした?じゃないよ。結愛が来てんだけど?」

「あれ?連絡行ってないの?」

「連絡?なんの話だよ。」

「こないだ結愛ちゃんのお母さんから電話あってゆうの連絡先教えて欲しいって。結愛ちゃんとかから電話来てない?」

「んー。ちょっと前に知らん番号からかかってきてるから結愛に聞いてみるわ。」

「そうしてみて」

「てか、知ってたなら…。まーいいやとりあえず鍵渡したなら連絡してよ。」

「あーごめん!またそのうち。」

『ツーツー』

うちの父はかなり軽い男だ。


そんな電話をしていると結愛が覗いてきた。

「何してるの?ご飯もうすぐ出来るよ?」

「父親に電話してた、すぐに行くよ。」

頭の中で結愛にする質問を整理したかったので、

タバコに火をつけた。

ライターの音に結愛が反応してまた覗いてきた。

「お兄ちゃんタバコ吸うの!?」

「結愛の前で吸ってないだけで、前から吸ってたよ」

「そうだったんだ!意外!」

そう言って結愛はキッチンに戻って行った。


つい家だから油断してた、結愛の前では吸わない様にしてたのを忘れていた。

(家でタバコを吸うのは控えよう。)

そう思うと急に思った。

「結愛!」

「うわっ!びっくりした…何?」

「お前いつまで居るつもりなんだ?」

「1週間だけど?それも聞いてないの?」

「1週間!?ごめん、俺なんも聞いてないから全て教えてくれ。」

「うん!わかった!その前にご飯ね!」

「あー…。うん。」


ご飯は冷やし中華が出てきた。

かなりしっかり出来ていて味も美味しかった。

知らないうちに料理が上手くなっていて驚いた。

ご飯を食べ終え結愛に切り出した。

「なんも知らないからとりあえず全部教えてくれ。」

「私1度お兄ちゃんに電話したんだけど、電車だって言われてすぐに切られた。」

(あーあの時か。)

そう思いながら結愛が続けた。

「だからお父さんの方に連絡して今度お兄ちゃんの所に遊び行くからよろしくお願いしますって…」

(なるほど、あのクソ親父!連絡しろよ!)

「それだけだよ?」

「それだけ?」

「うん。それだけ。」

「どーしてうちなんだ?いとこは他にも居るし…」

そう言うと結愛は少し間を置いて言った。


「…会いたかったから。お兄ちゃんに会いたかったから」


結愛は、すごく顔を赤くして言っていたが、

俺はその姿に気づかなかった。

「そーか。結愛、とりあえず連絡先を教えてくれ」

「?」

結愛はぽかんとしている

「1週間泊まるんだろ?俺も予定があるから何かあったら困るだろ。」

「わかった!」

ニコニコとしながら結愛は言った。

(…何がそんなに嬉しいんだか。)

「とりあえず普段はSNSの方で、何か急用の場合は電話かけてくれ。」

「どうして?」

「その方がどーでもいい用か、急ぎで困ってるのかがわかりやすいだろ。」

「なるほどね!お兄ちゃん頭いいね!でも結愛の連絡すぐに返してくれないの?」

「俺にも予定はあるんだよ。」

「わかった。…でもなるべく早く返してね。」

「あーなるべくな。」


結愛と話していると1時間後には仕事に出ないといけない時間になっていた。

シャワー浴びて準備をして家を出ようとしたら

「待って!」

結愛に止められた。

「少しだけどお弁当作ったから休憩中食べて!」

「おう、ありがとう。」

「うん!頑張ってね!行ってらっしゃい!」

「行ってきます。」

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