第3話いとこと俺と朝ごはんと
いつもと同じ道いつもと同じ坂を進みバイトに向かっていた。
何故いとこが家にいるのか?
いくら考えても『なんでいるのか』しか出てこない。
俺は24時間のカラオケボックスで働いてる。
(どーせ今日も暇だろ…働きながら考えよう)
等と考えながら、業務についた。
仕事内容はルームの掃除、食事やお酒等のオーダー、会計と慣れればかなり簡単な業務である。
暇だと思っていたが、店はとても混雑していた。
「今日忙しくない?」
「今日からお盆休みだからねー。」
と同じアルバイトの女の子と話していた。
彼女は
ケンカしたとかではなく、ただ単に続かないのじゃないかとお互いに思い、別れた。
友人や他のアルバイトの人達には、気まずく無いのか?と聞かれるが、全く感じた事はない。
客層は大学生とサラリーマンであろう人達が多く、
夏休みとお盆休みで人がごった返していた。
近くには居酒屋もある為、二次会利用とかでよく使われる。
忙しい中仕事をこなしているとあっという間に退勤時間になり仕事を終えた。
「疲れたー!帰ってすぐ寝る!」
「今日はやばかったね、私も疲れた。」
「お疲れ様!」
「おつかれー」
と挨拶をしいつもの道いつもの坂を進み家に帰った。
家の辺りからとてもいい匂いがした、匂いのせいか疲れていたからなのかとてもお腹が空いていた。
(飯食べてから寝よう!そうしよう!)
と思い、鍵を開けた。
「おかえりー!」
「そうだ、居たんだ。」
思わず口に出ていた、
「居たんだって何?ただいまは?」
「あっいや…。ただいま。」
「よしっ!」
(何がよしっ!だよ。)
「朝ごはんできてるよー」
「んっ?朝ごはん?」
「そー朝ごはん!お腹すいてない?食べるでしょ?」
(そーか匂いの正体はこれか!…そーじゃない!)
「なんで
それを俺は聞きたかったのであった。
忙しさで頭から抜けていた。
「とりあえず座って?朝ごはん食べながら話そ?」
俺はとりあえず机の前に座り腰を落ち着かせた。
結愛はテキパキと二人分のご飯を置いている、
白米にベーコンと目玉焼きにきゅうりの浅漬けに味噌汁、いかにも朝ごはんという朝ごはんが出てきた。
「料理する様になったんだね。」
「まー、一応ね。お兄ちゃんの事見習ってみた!」
「えらいな。」
「でしょ!」
結愛はニコニコしながらそう言った。
正直誰でも作れる様な料理だが、いつもの癖でつい褒めてしまう。
「はい、どーぞ。」
「いただきます」
お腹も空いていたし、食べながら話すのもあれだと思ったので、二人とも無言で食べていた。
「ごちそうさま!」
「美味しかった?」
「久々に朝からしっかり食べたよ。美味しかった。」
「良かった!…最近料理してないでしょ?」
「よく分かったな。」
「だってキッチン使われてる感じないもん。」
最初は俺も料理をしていたが、いつからか料理をしなくなった。
一人暮らしなんて意外とそんなもんだ。
コンビニや外で済ませても一人分の料理を作るとなったら、金額的にあまり大差ない。
「料理しないの?お兄ちゃんのご飯美味しいのに。」
結愛に軽く説明をし俺は本題を切り出した。
「てか、なんで居るんだ?」
「夏休みだから?」
「質問を変える。どーしてうちに入れたんだ?」
鍵は閉めたはずだし謎だった。
「お兄ちゃんのお父さんにもらったよ!」
「なるほどね。」
(後で父親に聞いてみよう。)
「彼女が居たらどーすんだよ!?」
「私が彼女でしょ?他に彼女でもいるの?」
「…ちょっと待てなんの話だ?」
「いるの?」
「いやいないけど…」
「良かった。」
いつの間にか主導権が結愛にあった。
「とりあえず仕事終わりで疲れてるから聞きたい事は後で聞かせてもらうよ。一旦寝かせてくれ。」
「分かった!私はマンガ読んだりしてていい?」
「シャワーとかも自由に使ってていいから。」
「分かった!じゃーおやすみ。」
「おやすみ。」
こうして俺は1度眠りについた。
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