第2話 今の私をお伝えします

まずは今の私をお伝えしようと思います。


ただ始めに言っておきます。

ここでの私は「語り手」です。「聞き手」ではありません。

そして、私の意見は「沢山あるうちの一つ」であると考えて欲しいです。

同じ状況のあなたにも、鬱になんてなるはずないと思うあなたにも、各々の意見があるように「一つの意見」である、と。


だから、どうか、

少しだけあなた自身の考えや意見、立場を抑えて聞いて欲しい。

そして、ほんの少しでかまいません。

こんな人間もいるのだ、と思って欲しいのです。


あなたはあなたでしかないと言われるように、誰かはあなたではないのです。

つまり、あなたの意見が世界の全てではないのです。

難しいかもしれませんが、少しだけただの「聞き手」になってみてください。


さて、話を戻しましょう。


今の私はこうです。


・1年前の23歳の時に抑うつ病を発症し、同時にブラックで働いてたためか、検査の結果、あと1ヶ月働き続ければ過労死する状態を経験。


・発症後、医師をはじめ、友達や恋人、家族の助けを借り、3ヶ月ほどで再就職。

社会復帰するも身体も精神も以前よりも疲れや苦痛に耐えられなくなる。


・けれど、自分なりに無理をせず、休みながらも克服しようとし、少しずつ明るくなり、遠出や車の運転、1人でも鬱傾向を発症する事がなくなってくる。


・しかし先日、家の前に立っていた不審者に質問攻めに合い、逃げるも追い詰められ、最終的には去ってくれたが、1時間ほど恐怖に晒された。

その恐怖から過去の抑うつ病時期がフラッシュバックし再度鬱状態に陥る。


・再び友達に助けを求めるも、今回は鬱状態でありながらも笑う事ができ、見繕う事ができたため、理解されず逆に叱られる。


・1年前の恋人とは別れていたが、死ぬ方法を探しあさり、食事もままならない、いつ気が触れてもおかしくない状況から、最後の望みをかけて連絡するも助けてもらう事は叶わなかった


・最終的に本当は同じように過去を思い出して欲しくなかったが、耐えきれず同じく抑うつ病で悩まされた友達を頼り、なんとか少し冷静になれる日々を送っている


というのが私の今に至る簡単な経緯です。

そうですね、今の私は同じく鬱病悩まされた友達のおかげで立ち直ろうともがいている最中であると、言ったところでしょうか。


これを聞いて思う事は皆さん沢山あると思います。

ですが、どうかその言葉は一度胸にしまってください。


その言葉がどんなものか、私にはわかりません。

一つの意見として大事なこともわかっています。

ですが、その意見が避難であろうと、励ましであろうと、今の私は「弱くなった人間」であるがためか、その言葉で簡単に「死に向かわせる事ができる」のです。


大げさだという人もいるでしょう。

それは、あなたの意見、なのです。

あなたは私ではない。

私もあなたではない。

それがすべて正しい訳ではないのです。

私の意見もしかり。


今の世の中は、インターネットや携帯電話が普及しており、「文字だけで人を判断する」人が多くなったと私は思います。


それは仕方のない時代の流れなのでしょう。

更にそれが人の感情の大切な部分を奪ってしまっている、とさえ私は思います。

文字の先には、画面の先にはあなたの知らない誰かがいます。

今、この瞬間もそうです。


だからこそ、気にかけて欲しいのです。

私たちのような、弱い人間もいるということに。


少しだけ考えに余裕を、誰かを見るときの視野を広げてみて欲しい。

そこまで深く考えずに発した言葉が、文字が、もしかしたら、誰かの命を奪ったり、誰かの心をぐちゃぐちゃに壊してしまう、そんな時があるのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る