ある朝の話。

ある朝の話。

私の心は梅雨だ。しかし彼の心は真夏日だ。

暑すぎて嫌になっているかもしれない。

だが、彼は嫌にはなっても嫌いにはならない。

私は嫌いだというのに。


よく

『雨が降らなければ虹がかからない』

と人は言う。

私はその通りだと思う。

例えるなら私は雨で彼の気持ちを晴らしている、その程度だろう。


「おはよう」

と彼に挨拶をする。

彼は私に

「おはよう」

と返す。

私の隣の人に微笑みながら。

周りから見たら彼も人、私の隣の人も人、そして私も人だ。

ただ私から見ると彼は私の太陽、隣の人は月。

彼から見ると私はどんな人なのだろうか。

きっと私より隣の人の名前が先に出ると思うのだが。


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