五日間

 塩の砂漠を進み始めて一日目。

 何もなかった。

 進めど、進めど、先の風景が変わることはなかった。変わったとすれば後ろの風景、高低差が激しい平原が地平線に沈んだことだろうか。

 あ、念のために一定間隔で石を置いている。帰り道が分かるようにだ。石なのでヘンゼルとグレーテルみたく、無くなることはないだろう。



 ◇◆◇◆◇



 二日目。

 やはり何もない。

 前も後ろも変わらない。永遠と塩の砂漠が続く。昭子が日記を朗読してくれなければ発狂していたかもしれない。



 ◇◆◇◆◇



 三日目。

 変わりなし。

 石の在庫が半分を切ったので、石を置く間隔を長くし、石を四つに割ることで省エネ化を図った。



 ◇◆◇◆◇



 四日目。

 なし。

 マジで言うことが無い。日記をずっと聞いてたら太陽が月に変わった。

 ちなみに夜でも進んでいる。俺が寝ても、昭子とドラゴンちゃんは寝なくても良いのだ。俺抜きで進む。



 ◇◆◇◆◇



 五日目。

 昼を少し過ぎたあたりで、巨大な穴を発見した。

 穴の半径は推定して54メートルほど。逆三角な感じで穴が開いており、アリジゴクのように思えた。

 リンゴをそこに転がしてみるも変化は無し。良く分からない。

 俺たちの目標は港なので、スルーする。



 ◇◆◇◆◇



 そして、六日目。

 俺たちは危機に瀕している。

 ドラゴンちゃんの胴体は消滅。昭子は右腕を無くしており、俺は宙を舞っていた。

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