ひよこ豆の告白

「どゆこと? ひよこ豆ちゃん、2番目じゃないって」


 不死川は気まずそうに俯いてから、ゆっくり口を開いた。


「……これは個人情報に関わることなんで、どうしようか悩んでいたんですが、この際言うことにします。あの彼、よくニコマートに来てたんで自分覚えています。彼なんですが……」

「な、なんですか? もったいぶらずに言ってくださいよ……」

「……彼、少なくとも5人以上と交際しています」


——5人!?


「……ええ、しかも友人とお前は今何人? といった自慢話をしているのを聞いたこともあります。そういう方です」


 パーマンが大きくため息をついた。


「クズ認定だな、やつは」


 カンナもはあ、と息を吐いた。


「クズチンだな、あいつは」

「チンはよせよ、いやらしいから。そもそも最近のお前の発言が過激すぎてこの話、性的描写ありにチェックするかどうか、かなり悩ましいことになってるんだから、ちょっと考えてから喋れよ。そもそもチンに失礼だ」

「でもさあ、ひよこ豆ちゃん、最初から知ってたんでしょ? だったらなんで早く言ってくれなかったの?」


 不死川は薄い眉にシワをよせ、机の上を睨んだ。


「……何度も言おうと思いました。でもこれは個人情報ですし、それにみなさんがあまりにも楽しそうに話しておりましたので、水を差すのもどうかと」

「そ、そうだよ、ひよこ兄さんは悪くないだろ。大体な、そもそもお前が軽率な行動とるからだろ?」


 カンナが力強く立ち上がった。そして目に力を込める。


「な、なんだよ」


 それから、突然大声をあげた。


「メガネちゃん、ゴメン! ほんっと今回ばかりは自分で自分を嫌になるわ。マジで凹む……お願い! 許して、この通り!」


 カンナは両手を合わせて、頭を下げた。


「……いえいえ、カンナさんには感謝してるんです、こんなわたしに一生懸命してくれて。それよりゆきりんさん、お願いがあります!」


「え? 何、突然」


 メガネちゃんは正座し、佑紀乃の両手を握った。


「わたしと付き合ってください!」

「は?」

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