明かされなかった真実

 一瞬、時が止まった。

 カンナもパーマンも言っている意味が分からなかった。


「ゆきりんそれどーゆーこと? こんなにラブラブなのに?」


 佑紀乃の胸の奥に、もやもや、ぞわぞわ、という感触が走った。

 それからメガネちゃんを見る。


「私ね、おととい溝端君に会ったの。そんで聞いちゃった、あの日のこと」


 メガネちゃんが口を結んで目を逸らした。


「実は溝端君、付き合っている人。いたんでしょ?」

「何それ。ちょっと意味分かんないんだけど」

「別れてメガネちゃんと付き合ったってことか?」

「違う、そんなんじゃない。ねえメガネちゃん、溝端君にあの日、ニコマートの外でこう聞かれたんじゃない?『2番目でもいいの?』って」


 不死川の表情がわずかに歪んだ。

 カンナの眉にもシワが寄った。


「何その提案。そんでまさかメガネちゃん、あんた……」

「それでもOKしたのよね?」


 メガネちゃんがこくりと小さく頷く。

 パーマンがしばらくぽかんとしてから、パーマ頭をごちゃごちゃと掻き混ぜた。


「あー、意味分かんねーな。まずその提案する方もどうかしてるし、OKする方もする方だ」

「どーりで、なんか変だと思ったんだよねー。ひどいわそりゃ」

「だからね、メガネちゃん。彼とは……」


 佑紀乃の言葉が遮ぎられた。


「いいんです」

「え?」

「わたしが決めたんですから、2番目でもいいって」

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