近況報告は錆びた味
パーマン宅。
みんな、メガネちゃんが作った「ナスと挽肉のボロネーゼ風パスタ」を囲みながら、話を聞いていた。
「……それで、その日は授業が午前で終わりだったんで、午後からデートしました。映画観て、お買い物して。夜は溝端君行きつけの石窯パスタの店に連れてってもらいました。それがめっちゃくちゃ美味しかったんですー」
カンナが身をぐいぐい乗り出して、うんうん言う。
パーマンも、度々はあ、とかへえ、などと相槌を打っていた。
不死川は端からじっとその様子を窺う。
「すっげー、マジラブラブだわこの子。信じられなくない?」
そう言って佑紀乃を見たとき、カンナは何かに気づいた。
「さっきから、ゆきりん元気ないねー。どしたの?」
「そう? 別に……」
「俺もちょっと気になってた、なんか全然喋らないしな。体調でも悪いのか? 鎮痛剤とか抗生物質とかならたくさん持ってるぞ」
「いや、そんなんじゃなくて——」
佑紀乃は改めて自分の中のもやもやと向き合っていた。そして重い口を開く。
「あの、ちょっといい? すごく言いづらいんだけど——」
皆の視線が佑紀乃に集まった。
「溝端君。彼はやめときな、別れた方が良いと思う」
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