ツミ重なる遊戯

影 十八番

第1話遊戯の始まり


私(本郷 裕一)には病を患っている父親がいました。父親は原因不明の難病なので私は実家に帰ることにしました。そして実家に帰り使っていない物置部屋を開けるとそこには体長5㎝位の妖精みたいなのがいました。名前を聞くと名前はないらしいので、よくアタシと自分の事を言っているのでアタシという名前にした。


アタシが私の体の周り飛んでいました。すると覚醒してオーラを身に纏うことが出来ました。一体どうなっているのかは分からないが手のひらを見ると金色に光っていました。何なんだと思ったがとりあえず、アタシに話しかけてみました。

「これは一体何なんだ」

「今からすることの準備」

と言いました。準備?と言われてもまるっきし分かりません。

中華卓のようなテーブルが中央にあったのでそこに座りました。私が座ると次から次へと席が埋まり、全員がテーブルの席に着きました。


そしてルールブックが渡されました。ルールは一つだけでした。ゲームが始まると終わるまでいかなる場合でもやめることができないというルールでした。

私は安易に考えてしまった。別に終わるまで待てばいいだけと思ったのでゲームをすることにした。

支配人みたいな人が来ました。

「それではゲームを始めたいと思います。みなさんよろしいですか」

全員「はい」

このゲームは2択のゲームです。今から中華卓の中央に映像が流れますので注目してください。そう言うと犬の映像が流れていました。

「まず皆様にチップをお配りします」

そういうと私の所に5枚のチップが配られました。

他の人にもチップは配られましたけれどチップの枚数は皆それぞれ違いました。

何故、枚数が違うのか私は疑問に思いました。

ゲームのルールは賭けたチップの倍のチップが支配人から支払われるというルールです。

チップが無くなれば当然負けです。一度に何枚でもチップは賭けることができます。最後の一人になるまでゲームは続けます。プレイヤーは私を含めて全員で6人だった。


「それではゲームを開始します。」


犬の映像が流れてきました。では問題です、この犬は右に行きますか、それとも左に行きますかさてどちらでしょう。

こんな問題わかるか!!と思いました。犬の気まぐれでどの方向にも行くので問題として成立していないと思いました。

支配人が言いました。それではベットをお願いします。とりあえず、右に1枚チップを賭けました。他の人達もベットが終了していました。残りのチップは4枚。


「正解は左です」


見事にハズレました。まあこんな問題わかるわけありません。気を取り直して次の問題を聞きました。また同じ犬の映像でした。人が来ましたこの犬は吠える、吠えないどちらですか。

またか!だからこんな問題わかるわけがない。適当でいいかなとりあえず、吠えない1枚のチップを賭けました。残りのチップは3枚。


「正解は吠えるでした」


とうとう初めの脱落者が出ました。あの人は無茶苦茶な賭け方をしていたからすぐにチップが無くなったんだろうな。まあこんなわけのわからない問題で脱落なんで大したことはないと思っていたのですが、いきなり


「うわぁー」


と言って消えていきました。一体どうなっているのだ。なんで消えたんだ。支配人は平然とした態度でいる。支配人に聞いてみた

「なんで消えたんですか」

「そんなもん決まっているだろ!」

の一言だった。

どうゆうことなんだ決まっているとはどうゆうことだ。冷静に考えてみようまず手を見て落ち着こうとした。そうすると金色に輝いていたオーラが少し薄くなっていた。私は思ったひょっとしてこのチップは私の寿命と関係しているのではないかと思った。


だからチップが減るとオーラに影響が出るのだと推測した。だから始めのチップが違ったのか、まあ人によって寿命が違うのでチップに違いが出るのは当たり前か。しかしわからないのはこの問題だ一体何を表しているのか見当がつかない。

こんな問題に寿命を賭けられるわけがない。支配人に言ってこのゲームから抜けたいと言った。


「ルールブックに書いてあっただろゲームが始まると終わるまでいかなる場合でもやめれないって書いてあっただろ!」

ついでにオレの正体も見せてやるというと支配人は変身を解きました。すると大きな鎌を持って全身を布で覆いつくした大きなガイコツがいました。ひょっとしてこれは・・・


「死神!!」


私は生唾をゴクリと飲み、心臓がバクバクと音を立てていました。背筋に寒気が走りました。こんな圧倒的な威圧感は初めてで、この場にいるだけで殺される思いでした。これが真の恐怖だということが初めて理解しました。


死神は言いました。全員の寿命を頂くためオレはいてるんだ。そんな簡単な問題を出すわけがないだろう。

その場が凍り付きましたが死神のルールのもとでゲームは続行されます。

次も同じ犬の映像でしたが全然緊張感が違いました。


飼い主がフリスビーを投げました。この犬はキャッチ出来ますか出来ませんかどちらでしょうか

だからわかるわけがないが飼い主は見たことがある人だとわかりました。確か隣に住んでいる人だということが分かりました。そういえばお隣さん犬を飼っていたな。

ひょっとして過去か現在かはわからないけど私に関係している問題ではないのかと思いました。そうだとしても全く覚えていないので、どうしようもないので適当に選ぶしかありません。キャッチできないにチップ1枚を賭けることにしました。残りのチップは2枚。


「正解はキャッチできるでした」


流石に適当に選んでいては当たりません。けれどこの犬の名前は思い出しました。確か名前は「ペス」だったと思います。よく私に懐いてきたので憶えています。今思い出したそういえば私ともフリスビーで遊んでいてキャッチするのが上手だった。だから過去の事を思い出していけばうまくいくのではないだろうか。


次の問題です。この犬はマジックで眉毛を書かれたことがある、書かれたことがないどちらでしょうか。

この問題は解かります。確か小学生の頃、友達と遊び半分でペスにマジックで眉毛を書いて両親にばれて一緒にお隣さんに謝りに行った経験があるので答えは書かれたことがあるにチップを1枚賭けることにしました。残りのチップは1枚。


「正解は書かれたことがあるでした」


見事に正解はしましたがなんかペスに悪いことしたなと思い複雑な気持ちでした。けれどチップは倍の2枚が返ってきました。しかし問題の傾向がわかってきたので命を取られる可能性が随分と減りました。


映像が犬から本屋さんに変わりました。

漫画の単行本が出てきました。さて問題ですこの本を盗みましたか、買いましたかどちらでしょう。

そういえばこの本万引きした記憶がある。ちょっとエッチな本だったからレジに行くのが恥ずかしくて買えなかったから万引きしたんだった。問題の傾向もわかってきたので、盗みましたにチップ2枚を賭けました。残りのチップは1枚。


「正解は盗みましたでした」


死神が言いました。当たったんだからもっと喜べよと言ってきました。こんな気持ちで素直に喜べるかと思いました。当たっても全然嬉しくないむしろ人前でこんなことをさらされて恥ずかしいぐらいだ。


映像が自転車になりました。

この自転車は鍵がついてありました。盗みましたか盗みませんでしたか

この問題で気づいたことがありました。やはり私の過去について関係があることです。初めの問題は左の方向に実家があるので左と答えるべきでした。ペスは人が来るとすぐに吠えるので吠えると答えるべきでした。

死神が出てきてからはフリスビーの問題以外、私がいままでにしてきた悪事ばかりです。何で死神は私の過去を知っているのか不思議でした。

答えないといけないので盗みましたにチップを2枚賭けました。残りのチップは3枚。


「正解は盗みましたでした」


いきなりブザーが「ビー」となりました。

「終了です。」

というと辺りを見回すと私以外誰も席にはいませんでした。死神から生き残れて良かったなと言われました。ただこれだけは忘れるな


『罪は消えない!!』


と言って、そしてスーッと消えて行きました。

そしてどこからともなくアタシがやってきました。

「おめでとう!」

と言ってきました。何がめでたいのかわかりませんでした。とりあえず、ありがとうと言いました。

本当は生きている人間にこんなことしてはいけないらしいけど、そっちからきたからゲームに参加させて良かった。

何が良かったんだこっちは死ぬかもしれなかったんだぞ。

これでお父さん元気になるね。

「え!」

このチップは人にあげることも出来るのです。もらった人は少し寿命が伸びます。

それでは初めの5枚を抜いて残り2枚を父親にあげました。

これはいったいなんだったのと聞きました。


死後の世界のゲームです。とアタシは答えました。死んでから今までの罪をゲーム形式でします。たまにいるんですよごまかしたり、忘れたりする人があなたはちゃんと罪と向き合ったので生きて帰れたと思います。

あと消えていった人達は誰なんですか?

守護霊です。ですがあなたのことをあまり見ていてなかったので問題に答えれなかったのでしょう。守護霊はいる人もいればいない人もいてるので消えてもあまり気にしなくて良いです。

ただこれだけは覚えていて下さい。


『罪は消えない!!』


と言いました。

一度した過ちは死んでからも消えることはありません。そして死んでから罪に対して反省してもらいます。だからこれからは罪を犯さない人生を歩んでほしい、もう善悪の判断はついているのだから。

さて、死神もいなくなったのでドアから帰れますよ。それでは

「さよなら、バイバーイ」

と言って消えて行きました。

そしてドアから出ると実家に戻りました。

父親の部屋に行くと元気に体操をしていました。起きても大丈夫と聞くと父親は言いました。

「体が軽いので、今から温泉旅行にでも行くか」

と言ってきたので両親と温泉旅行に行くことにしました。実家を出るとき隣の家のペスの頭を撫でて昔はゴメンなと言って行きました。罪は消えなくてもこれからは罪を犯さない人間になっていこうと心に誓いました。

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