第9話
「あの朝?するとあの男性は、和歌子さんのお兄さん?」
「はい、兄です。大西さん、何も声をかけてくれなかったから、どうしたのかと」
その瞬間、すべてが氷解した。てっきり、結婚を約束している男性だと思っていたのだ。
「和歌子さん。仕事の方はどうされているのですか?」
「図書館司書ですね。辞めました。あの頃、ちょうど過渡期にさしかかっていて、大西さんに話せないでいたんです。今は、父の会社で事務をやっています」
はじめて明かされた真実。ずっと、ずっと、気にしてばかりいた謎が、今解けた。
「立ち話もなんです。少し歩きませんか?」
「はい!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます