第6話

あれから半年が経った。俊一郎は、失恋のショックで少しやきもきしている。何をやっても手につかない。書きかけの小説もそのままだ。スマホで、ひかるの電話番号を探してみた。あらかじめ電話番号を聞いておいたのだ。かけてみようか迷う。もう、仕事場には、ひかるは来ない。ボタンを押してみた。五回、ベルを鳴らしたところで、留守番サービスとなり、話す事はできない。

「あーっ」誰に聞かすこともない声をあらげ、たたみの上に寝転がった。窓はネオンの光で彩られている。

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