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黒猫

第1話 率直な感想をお書きください。


恋愛とは俺には一切無縁のことである。

小、中と彼女がいたことはなくそれどころか気になった奴すらいない。

だが俺は秘密裡にラブコメ作家として巷で話題の柚木夏としてラブコメ界を沸かせている。


高校二年の春学校一の美女といわれている高崎涼葉と同じクラスになった。

「おい、高崎さんと同じクラスだぜ」

「やったな、これで親しくなれたら…ムフフ」


勿論よこしまな考えを抱く男子が居るのだが

「あんたたち、涼葉に手出したら生きていられると思わないことね」

護衛のごとく常に隣には夏風紗耶香が木刀をもって男子に警告をしていた。


男子の裏では黙っていれば美人といわれており一部のMには大変人気が高い。


「ルーは高崎さん気にならないのか…?」

唯一俺の正体を知っており気の使わなくて済む奴、中村太一が話しかけてくる、

ルーというのは夏樹琉生といいルーと呼ばれている。


「そうだな~美人だとは思うけどそんなに騒ぐ程じゃない気がしてね、それに俺みたいなやつに見られててもキモいだけだろうからさ」

「へーへー、相変わらずなこって」

「それよか、年上彼女との進み具合はどうなんだよ」


太一は幼馴染のお姉さんと付き合っており常にラブラブしているので会ってしまったが最後胸やけが数日は続くほどだ



「そんなの聞くなよ~順調も順調」

「だろうな…」

聞かなきゃ良かったよ、まったく



一番前で教卓が目の前にあるため居眠りをできない。

「あっ、隣なんだ。これからよろしくね」

「よろしくお願いします…」


締め切りがやばいので本来はPCをもってきて本格的に書きたいのだがばれると面倒くさいのでスマホのメモを使って簡易的に話を書いている

「ねえねえ、せっかく隣になったんだし仲良くしようよ」

「すみませんね、友達は割と選ぶほうでして少数精鋭でいいので遠慮させていただきます」

ってかしつこい女だな…


「えっと…高崎さんでいいんだよね?」

「もしかして私の事知らなかった…とか?」

えーなんかプライド高そうだし知らなかったって言うのはだるくなりそう


「知ってたよ、うん。まあよろしく」

「ねえ、眼そらしたよね…ってことは知らなかったんだ…」


あらやだバレてますわよ奥様。


「すみません知りませんでした」

去年なんて僕恋を書くのに夢中で学校のことを覚えていない


「珍しいね、私結構有名人なんだよ?」


まあ俺のほうが有名だけどな!

とかいう糞みたいな張り合いはせずそうみたいですねと返す。


「あー、思ってないでしょう」

「思ってますよ。男子の視線とか気持ち悪いですよね…。なので無理して関わらなくていいですよ?」

「君みたいな人は珍しいね、基本私にいいところを見せようとする人しかいないのに」


まあ、恋愛は書き物で十分満足できてるからなぁ…


「私君の事好きになっちゃったよ、ルー君」


なぜ俺のあだ名を知ってる…さっきの声だって高崎さんに聞こえるほど大きくなかったし


「あれ…?さっき呼ばれえてたよね?」

「いやまあ間違ってないんだけどさ。聞こえてたの?そこまで大きくなかったと思うんだけど」

「自慢じゃないんだけど耳いいんだよね~」


「すごいね」

「ありがと」

フフッと近くをたまたま通りかかった男子が倒れていた。


「こっちもすごいんだね…」

「あはは…」


本人的にはこちらは想定外だったらしい。


「それよりもさ、メモ帳開いて何をしてたの?」


みられた…!?

いや見られても今書いてる内容は半ばだから僕恋だとはばれないはずだ。

だがもしもがある…誤魔化すか?


「暇だからさ、ちょっとした書き物をしてただけなんだけど恥ずかしいから誰にも言わないで…?」

「見てもいい?」

「ごめんそれだけは勘弁してください」


みられたら僕恋だってバレちゃうかもしれない。

いや知らない可能性のほうが高いか…


「ねえ、高崎さん僕恋って知ってる?」

「知ってるよ~面白いよね早く続きが読みたいな~」


これはアウトですわwww

「面白いよね~俺も好きなんだよ」

まあ自分の子のようなもんだしな


「なんであれだけ有名なのにサイン会やらないんだろうね~」

「だよね~。俺会ってみたいな~」

サイン会なんてやった日には死ぬぞ。

一応高校卒業したらやるかもしれないけど…


「今度休日に喫茶店で話そうよ」

視線が…

というより殺気がパねえ。


メモを新しくして画面を見せた


『男子からの死線がやばいからできれば居ないところでお願いします』


高崎さんもメモを出し

『わかったよ、私のLINEのID書いておくから追加しておいて』


首を縦に振りLINEを開いて追加した。


『よろしく』

『よろしく~さっきの話だけど今週の日曜日とかどう??』

『大丈夫ですよ』

『じゃあ日曜日、駅前10時で』


それ以降は特に会話をするわけでもなく授業を受けその日は終わった。

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