コンジャラー

【概要】

 魔法、と一口に言っても様々なものがある。敵を薙ぎ払う攻撃魔法、味方の傷を癒やす回復魔法、空を飛んだり瞬間移動ができたりする便利な魔法なんてものも。中でもコンジャラーが得意とするのは、味方を支援し手助けする支援魔法である。

 コンジャラーは肉体や魂、物質へと干渉する魔法を多数習得し、仲間のそれらを強化し戦闘を有利に進めることができる。またその技術を応用してゴーレムを作成・使役し、戦闘に参加させるという唯一無二の特技を持つ。

 これだけ聞くと利他的な白魔術のような印象を受けるが、コンジャラーという技能はそんな善良なものではない。その干渉力は死者にも及び、死体を操りゾンビとして使役する、失われた命を蘇生するなど倫理的に危うい領域にも精通している。全てのコンジャラーがそういったことに肯定的というわけではないものの、偏見の目も厳しく、コンジャラーというだけで迫害されることも少なくない。冒険者やその関係者は理解があるためセッションの際にそこまで気にする必要はないが、そういった側面があることをロールプレイに組み込んで陰のあるキャラクターを演じてみるのも一興だろう。



【役割】

 豊富で優秀な補助魔法を持つバッファー。その上なんと全技能最速のLv1で範囲攻撃魔法を習得するため、範囲火力もそこそこある。おまけに性能低めとはいえヒールを扱える器用さも持つ。

 基本的な仕事はバフ撒き。状況によって攻撃やヒールの手伝いもできる。バフ以外は専門の魔法技能に劣りメインを張れるほどではないが、バフを撒いた後にそれらの仕事を手伝えるのが強みの一つ。

 ビルドはレベル1で《魔法拡大/数》、レベル11で《ダブルキャスト》を習得すればバッファーとしてほとんど完全する。残った枠は好きにしていい。火力を上げるもよし、取り回しを良くするもよし、装備の質を高めるもよし。なんならデータ的には使う予定のない特技をフレーバーとして習得してもいい。極論、《魔法拡大/数》さえ取ればバッファーとして十全な活躍ができる。そのカスタマイズ性の高さがコンジャラーの最大の特徴とも言える。

 また、ゴーレムを作成し操ることも可能。ゴーレムはかなりタフで、敵の攻撃を遮る壁役として活躍してくれる。その上控えめだが火力もあり、前衛の火力補助もできる。と、このように強力なゴーレムだが、扱うキャラクターデータが増えるためPLへの負担は大きい。慣れない内は手を出さないのが無難だろう。ゴーレムがいなくともバッファーの仕事は以下略。

 パーティーの足らない穴を埋める縁の下の力持ち、それがコンジャラーである。周りの皆が楽しんでいる所を見るのが好き、誰かをサポートするのが好きという方に是非ともおすすめしたい。



【おすすめの戦闘特技】

《魔法拡大/数》

 必須枠。

 バフを全体に撒ける。コンジャラーのビルドはこれを習得した時点で8割方完成する。

 取らない理由がない。最速で習得する


《ダブルキャスト》

 1手番でバフが2つ撒けるようになる。

 コンジャラー技能には低レベルでも有用な魔法が豊富にあるため非常に相性がいい。

 とはいえ《魔法拡大/数》と組み合せないとイマイチなため、レベル11で《ルーンマスター》と一緒に習得すると無駄がなくておすすめ。


《MP軽減》

 コンジャラーは《魔法拡大/数》を多用することになるため相性がいい。

 これがないと困るというほどではないが、特別欲しい戦闘特技があまりないので雑に習得することが多い。魔晶石の節約にもなるのでお財布に優しい。


《キャパシティ》

 シンプルなMP増強特技。《MP軽減》を取得し15倍拡大した時と同等のMPが増える。

 消費の重い魔法が使いやすくなり、行動の幅が広がるためかなり有用。習得時期の遅さには注意。


《武器習熟/スタッフ》

 積極的に殴っていくなら『マナスタッフ』や『ソーサラースタッフ』で抵抗を抜きにいったり、『リーチスタッフ』で打点を伸ばしたりするのも手。知力を盛る余裕もあるため割と火力が出せる。『ブラックロッド』を握って低燃費を目指すのも悪くない。


《魔法収束》

 『スパーク』が味方を巻き込まない単体攻撃魔法として使えるようになる。退屈から抜け出せる筆者一推しの戦闘特技。

 《魔法拡大/数》と組み合わせることができないため1度に1体しか攻撃できないが、それでも低レベルのコンジャラーが状況に応じて攻撃の選択肢を取れるのは大きい。

 低レベル時は魔法のラインナップが乏しいこともあり、2ラウンド目以降は何もすることがない、なんてことも少なくない。その点攻撃手段があれば暇になることはないので、苦し紛れに『エンチャントウェポン』を使う、なんて事態からもおさらばできる。

 レベルが上がり戦闘特技に依存しない単体攻撃魔法を覚える頃(Lv9時)には用済みとなるため、《魔法制御》習得を目指すか、いっそ低~中レベル時代専用と割り切ってLv9以降は腐らせるのも手。コンジャラーは戦闘特技枠に余裕があるため、駆け出し時の活躍のため1枠割いても大して痛くない。


《魔法制御》

 味方を巻き込まないよう範囲魔法は1R目に使いたい、しかしバフはなるべく早く撒きたい。そんなジレンマを解消してくれる。

 コンジャラーは目当てのバフを撒いた後は暇になりがちなので、そこで範囲火力を担当できるようになるのは魅力。

 とはいえ、レベル8以上なら『クリメイション』(要ターゲティング)や『カースドール』を拡大するという手もある。《魔法拡大/数》と前提特技を取得することを考慮すると《魔法制御》が取れる頃には最低でもレベル7になっているはずなので、これらの単体攻撃魔法と習得時期も近い。

 いかにコンジャラーと言えど前提含めて戦闘特技3枠はかなり重いため、適当に習得せずに制御範囲魔法と拡大単体魔法、どちらが自PCに向いているか考えてみよう。


《鷹の目》

 攻撃範囲が広がる。バフより火力が欲しい時に、味方の《鷹の目》習得済みソーサラー等と一緒に敵後衛へ攻撃を飛ばせるのが強み。臨機応変に立ち回りたいなら。


《防具習熟》

 攻撃を一切する気がないなら、防護点を積んで耐久に力を注ぐのも手。バフしか使わないのであれば鎧のペナルティーなんてないも同然。きっちり固めれば下手な前衛よりタフになることも。

 前衛が漏らした敵を引き止める他、場合によっては乱戦へ突入しタンクとして活躍することすらも視野に入れられる。

 本来後衛にそこまで防護点は必要ないのだが、支援しか目にないコンジャラーであればこんなことをする余裕がある。

 金属鎧か非金属鎧かは筋力次第。回避は元々できないので、防護点だけ見ていればいい。



【おすすめの種族】

 抵抗を抜きにいくビルドであれば、おすすめの種族はソーサラーとまったく同じになる。その場合はソーサラーの同項目を参照。

 支援に特化する場合は以下の種族がおすすめ。


《人間》

 運命変転でバフのファンブルを打ち消せる。支援型なら種族ごとの能力値は少なく、これだけで最適正の種族となる。最強。


《ドワーフ》

 精神力が高くMPに優れる。実は全種族2位の精神力を持ち、トップがMPを持たないグラスランナーなためMP量では堂々の1位。

 バッファーであれば知力の低さは気にならない。種族特徴と生命力の高さからくる耐久力も嬉しい。


《メリア》

 生命力が高く耐久力に優れる。精神力もそこそこ高いためMPも優秀。安定。


《ルーンフォーク》

 種族特徴で容易にMPを補填できるため、無茶な拡大をしてもそのまま戦える。低レベルのお金がない時期は、魔香草に頼らず道中で積極的に魔法を使える点も嬉しい。

 精神力が低めなので、元のMPは控えめなのには注意。MP変換のHPロスも看過できるものではないため過信は禁物。

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