第253話 地獄の始まり

えっと……、どうしてこうなった?


今沙知は下を向いている。


おそらく、沙知の考えでは由美子さんもここに泊まっていく予定だったのだろう。


しかし、さっき騙された。というわけだ。


まぁ、なんというか……、ご愁傷様です。


「…………」


「…………」


てか!気まず過ぎるだろ!


どうしたらいいんだ?!


何か話題は…………


「て、てか沙知、受験勉強、頑張ってるか?」


「は?あんたよりかは勉強できるけど?」


えっ?!怖っ!これをノータイムで返してくるとか恐怖以外の何者でもないわまじ怖すぎですわ!


「そ、そうか、そう……だよな……あはははは……」


「は?きも」


「ごめんちょっとトイレ」



やばいです怖いですやばいです怖いですやばいです怖いですやばいです怖いですやばいです怖いです怖いですやばいです怖いです…………。


思わず逃げ出してしまった。


これでも最初は義妹ができるってことに大喜びしていた。


しかし、その喜びは1週間も持たなかった。


てか、これからどうしよう。


流石にずっとトイレで暮らすわけにもいかないし……。


トイレ出てからどうすれば……。


トイレで悩むこと10分。流石にこれ以上トイレに滞在していては沙知に怪しまれるかもしれないのでトイレからは出た。全く今後の予定は未定だ。



トイレから出ると、沙知は俺を睨んでいた。


いやだからどうしてなの?!


俺はひとまずそこら辺に座る。


どうしてでしょう。


自分の家にいるのに人の家に泊まりに来たみたいな感じです。


またしてもびびってしまい、そこら辺に座ってしまう。


そしてまた始まった沈黙。


5分ほど地獄のような時間が続いた。


流石にこれ以上続くと逃げ出してしまいそうな時、とうとう沙知が口を開いた。


「ねぇ」


びくっ!!


俺は恐る恐る声の方を向く。


睨む沙知。


「お風呂……、入りたいんだけど」


「お、おう……。わかった……」


この沈黙を解き放した会話がこれ?


まぁ、逆らうと何をされるかもわからないので、お風呂を沸かしに行く。


その10分後、沸かされたことを知らせる音楽が流れる。


「あの、実は4日後の花火大会を友達と見に行くことになって、兄が近くで住んでるって言ったらなんか色々あって……。その……、ごめん。それじゃあお風呂行ってくる。覗いたら殺すから」


そう言ってお風呂へと向かった。


え?


少なくともあと4日はこのような日々が続くということなのか?てか、全然意味がわからん。


吐き気が……。


どうしよう……。

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