第252話 天国から地獄へ

俺たちは今、昼食を取っていた。


もちろん俺の家にある机は小さいので、俺だけはキッチンで食べていた。


ひとりぼっちってのは少し寂しいけど、沙知が目の前にいる食事とか恐怖でしかないから助かったとも言えるのか……。



食事中も女子会は大盛り上がりであり、食事の後片付けなども全て俺がすることになった。


そのあとはあいちゃんの相手をしていた。


その間何度も沙知が睨んできた気がするんですが……。


ひっ!怖っ!


実は女ってみんなこんな感じで裏表があるのかな……。


たしかに一ノ瀬は俺だけにちょっかい出してくるし。


まぁ、これは一ノ瀬がちょっとやばすぎるだけですよね。


少なくとも真昼と村瀬は大丈夫だ。裏表を作れるほど器用ではない。


俺は一息ついた。



それからはみんなでテレビゲームなどをして遊んだ。


真昼達がいるからか沙知も楽しそうにしていた。本当に楽しんでいるのかはわからないが。


まぁ、そんな感じで平和に夕方まで進んだ。


今日は由美子さんが夕食を作ってくれることになった。


久々に食べたが、とっても美味しかった。



「よし、それじゃあ私は帰るわね」


やっと帰るか。正直沙知がいるから早く帰って欲しかった。


「うん、今日はありがとね。気をつけて帰ってね。さ、沙知もな」


俺の声は少し震えていたが何とか言えた。


あと少しの辛抱だ。


軽く沙知の方を見ると、何故か驚いたかのように俺ではなく由美子さんの方を見ていた。


なんか、想定外!みたいな顔をして。


「えっ?!お母さん帰るの?!」


えっ?帰らないの?!


由美子さんの方を見ると、笑顔だった。


「当たり前じゃないの。私、仕事もあるしー。京くん、そんな訳だから数日間沙知のことをよろしくね」


「「は?」」


俺と沙知の声は見事に重なった。


「いいじゃない、2人は仲良しなんだし」


「まぁ、そうだけど……」


こいつ由美子さんに俺と仲良いと思わせてるのか?!こいつやばいな!



そんなこんなで由美子さんは帰ってしまった。


真昼達も帰ってしまい、今は2人きりになってしまった。


さて……どうしてこうなった?

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