第250話 来た
真昼以外は全員集まった。
てか、どうしてそんなにも寝てるんだよ!流石に遅すぎだろ!
そんなことを考えながらあいちゃんの相手をしている時だった。
”ガチャ”
そんな音が聞こえ、俺の今までの緊張感はようやく解き放たれる……と思い込んでいた。
そう、この時までは。
まさかこんなことが起きるとは……。
「京くーん、久しぶりー!」
「えっ……?」
なぜ……だ?
今、俺の目の前には真昼ではなかった。
母親がいた。
「あらあら〜♪お邪魔だったかしら〜♪」
ニヤニヤしながら話す目線の先には女子×4だ。
「いや、そんなことはないけど。てか、どうして
俺は未だに笑顔な由美子さんに向かって言う。
てか、今気づいたけど、後ろに
由美子さんは俺の義理の母親だ。
もうすぐで40歳になると言うのに、俺よりも元気でかなりフレンドリーな母親である。
そして、沙知は俺の義理の妹だ。中学一年生のときに親が再婚して妹になった。
沙知の印象として、まず怖い。
めっちゃ毒舌だ。(俺にのみ)
そして、すぐに殴ってくる。(俺にのみ)
分かるように、俺はものすごく嫌われている。
俺より1歳年下なため、中学生の時を見ていたのだが、こいつ学校ではめちゃくちゃ『ザ・清楚!』みたいな感じのやつである。
まぁ、たしかに見た目は可愛いんだけどさ。
噂では10人以上の男子から告白されたとかなんとか……。
こいつのどこがいいのだろうか。
詐欺女なのになぁ……。
まあ、そんな俺のことが大っ嫌いなはずの沙知がどうしてここに来たんだ?!
「いやいや〜、抜き打ちチェックみたいな?男子高校生の一人暮らしってどんなのかと思ってたけど、女の子を4人も連れ込んでるなんてお母さん思わなかったわ〜。お母さんビックリだわ〜♪」
沙知は一ノ瀬たちが居るからか大人しかった。
よしっ!このまま大人しくしておいてくれよ。
由美子さんは1人でキャッキャッとはしゃいでいた。
まだまだ中身は現役JKなのかもしれない。
「いやいや、連れ込んでなんてないから。ただ同じ学校で同じマンションってだけだから」
俺は必死に説明しようとはするが、恋バナ大好きな母親には何一つ届かない。
ずっと笑顔で「はいはい♪そうなのね〜♪うふふふふ〜♪」とこの調子であった。
はぁ…………。
「どうも初めまして。いつも森木くんにはお世話になってます。一ノ瀬来未と申します」
なんとも礼儀良く俺の母親に挨拶をする一ノ瀬だった。
さすがっすね。
そのあと、俺を除け者にして女子会トークが始まってしまったので、適当に言い訳をして家を出た。そこには何故かあいちゃんも付いてきた。
まぁ、そんなわけで、俺とあいちゃんは旅に出た。
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