第249話 昨夜の出来事
村瀬の今までとの違いに若干気持ちが揺れかけたが、なんとか耐えた。
俺は真昼が好きなんだ。
現在、俺の部屋には一ノ瀬と村瀬がいる。
その2人は昨日俺が振った相手である。
こんな展開ラノベとかでそんなに見ないぞ。
たしかに彼女がいる状況なら山ほどある。
でも、今はその真昼がいないのである。
おそらく今は自室で爆睡中なのだろう。
一ノ瀬も村瀬もあまり気にしていないのかもしれないが、俺にはかなりしんどい。
普通振った相手と翌日笑顔で話し合えますか?いや、無理でしょ。
この2人ってもしかしておかしいんじゃないか?
いやいや、落ち着いて考えてみたら、1人はドSだし、1人はヤンキーだし十分おかしいですねはい。
そんなしょうもないことを考えていた時だった。
”ガチャ”
扉の方から音がした。
よし、2分の1だ。
2分の1で真昼、そして白雪家だ。
この2つなら、どちらが来てもデメリットはないだろう。
しかし、早く真昼に来て欲しいところではある。
真昼がいないとこの場がかなり厳しい。
俺の望みは叶うことはなかった。
いつまで寝てるんだよおおおお!!!!
「こんにちは」
「おにーちゃーん!」
礼儀の正しい姉の小春と元気いっぱいの妹の愛彩。見た目以外は正反対な性格の2人だ。
飛び込んできたあいちゃんをなれた手つきで抱える。そして、頭を撫でてあげる。
あいちゃんが来てくれたおかげで、さっきまでは緊張していたが、だいぶマシになった。
ありがとね。
「どうしましょうか。お昼を作ろうと思ったんですけど、宮下さんがまだ来てないみたいですね。昨夜何かあったのですか?」
ビクッ!
昨夜という言葉に反応してしまった。
「たしかに私も気になってたんだよねー。きっと告白したのは8時ごろでしょ?それなら、そのあと2人っきりで何かあったのかなぁって。だって、いつもならとっくにここにいる時間だしね。単なる偶然だとは言い切れないかなぁ」
ニヤニヤしながらも、しっかりとこっちを見つめていた。
一ノ瀬を相手にすると本当に何もかもがバレてしまう。本当に恐ろしい相手ですね。
「えっ?!そうなの?!2人が付き合った後に何かあったの?!も、もしかして……!エッ、エッ、エッチなこと……とか?」
「ちがああああああう!!!!」
とっさに叫んでしまっていた。
目の前には若干涙目になっている村瀬がいた。おい!そんなわけないだろ!
「えっ?!森木さんって宮下さんと付き合ったんですか?!」
そしてその横では、今まで聞いた中で最大かと思える声量で驚いていた白雪さん。あ、白雪さんは付き合ったこと知らないんだったわ。
そのあと、白雪さんを始めこの部屋にいる3人(あいちゃんを除いて)にはちゃんと説明した。
まあ、俺のことが好きだというわけではない白雪さんには「そうだったんですか。驚きました」と言われたが、その声はかなり落ち着いていた。
まあ、これが普通の反応なのだろう。
そして、一ノ瀬と村瀬にも説明したが、全く信じてもらえそうになかった。
頼む……!早く起きてくれ真昼!
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