After story
第247話 夢……だったのか?
これからは毎日投稿ではなく、不定期に投稿していきますが、よろしくお願いします。
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昨夜、俺は真昼に告白をし、付き合うことになった。
そして、初めて2人でしたことはクソアニメを見ることだった。
付き合って速攻クソアニメを見るカップルなんて普通じゃないだろうな。
まあ、俺たちらしいと言えばそうなんだけど。
なんだか毎日遊んでいた小学生の頃を思い出すよなぁ。
そんなわけで目が覚めた。
一瞬夢なんじゃないかと疑ったが、日付が1日進んでいることに安心した。
もう一度真昼に告白するとか恥ずかしすぎてできる気がしない。
正直あの時は勢いもあって言ったので、何を言ったのかはっきりとは覚えていない。
昨日の自分が暴走していないことを祈るばかりだ。
時計を見ると時間は10時半。昨日夜遅くまでアニメを一気見していた俺としてはもう少し寝ていたかったな。きっと真昼もまだ寝ているんだろう。
俺は動く気も出ず、ベッドの上でスマホいじりながらゴロゴロしていた。
1時間ほど経っただろうか。
俺はベッドの上からは離れることなくアニメ鑑賞タイムに入っていた。
”ガチャッ”
扉の方から鍵を開ける音がした。
鍵を持っているということは真昼か一ノ瀬だが、昨日のことを考えたら真昼しかいないだろうな。
そう思ってドアの方向を見ていたのだが、ドアが開き、俺の目は点と化した。
一ノ瀬がいた。
あれ?本当に昨日のことって夢だったのか?
一ノ瀬の目を見ても昨夜告白を振った相手だとは思えない。
でも、だからと言って『昨日俺って来未のこと振ったっけ?』なんて聞けるはずがない。
もし振っていたのだとしたらたいへん失礼なことである。うん、聞けるはずがない。
一ノ瀬は普通に部屋に上がり、何も言わずにキッチンに移動していった。
……………。
あれ?!ほんとに夢なのか?!
俺が真昼に告白した時の記憶があまりなかったのは、夢だったのからなのか?!そうなのか?!
俺はどうすることも出来ず、ただキッチンにいる一ノ瀬を見ることしかできなかった。
「お待たせー。朝食作ったよ」
そう言って机に料理を並べる一ノ瀬だが、今11時半ですよ?時計の針を読めなくなったのかな?
疑問に思ったが、目の前の朝食があまりにも美味しそうでベッドからすぐに移動した。
昨日の夜から何も食べていないので、かなりの空腹だったため、すぐに口に運んだ。
やはり一ノ瀬の作るご飯はうまい!
シェフとか目指すべきなんじゃないか?
それにしても……、一ノ瀬が通常運転すぎるんだがこれはどう言うことなんだろうか。
本当に夢だったのか?!
もしそうだとするならば、あのクソアニメを夢の中で見る俺ってある意味凄くね?
前を見る。一ノ瀬が笑顔でこちらを見ている。
昨日のことが夢なのだとしたら、一ノ瀬が変わりすぎている気もするし……。
ああああああ!!!わからん!どうなってるんだあああああ!!!
「あの……、昨日って何かあった?」
この空気にもとうとう耐えられなくなり、俺は口を開いた。
ここで、『何もなかったよ』なんて言われたら、俺はものすごい妄想野郎になってしまう。ドキドキ。
一ノ瀬は相変わらず笑顔を続けていた。
「何かあったっけ?ああ、たしか京くんと観覧車に乗ったっけ?」
「お、おう」
確かに乗った。そこで告白された。
しかし、それ以降一ノ瀬は口を開かない。
あれ?!観覧車に乗った後のことは全部俺の妄想だとでも言うのか?!
俺は思わず頭を抱えてしまった。
やばい、あんな妄想をするのはやばすぎる。
「ぷっ、はははは」
「えっ?」
突然一ノ瀬は笑い出した。
「ごめんね、さすがにちょっと面白すぎて。心配しなくても私は振られたよ。堂々と『好きな人がいるから無理』ってね」
「お、おう……」
なんか安心したような、この状況がさらに気まずくなったような……。
「それに、私はさらに京くんのことが好きになった日でもあるかな。だから、わざわざ朝食作りに来てあげたんだからね。感謝しなよ?」
「お、おう、ありがと……」
「もう!そんな緊張することないじゃん。京くんがそんなんだったら私もちょっと嫌だよ。だから今まで通りで行こうよ、ね?」
「お、おう、分かった……。頑張ってみる」
「うん、これからもよろしくね、京くん」
「おう、よろしくな、来未」
こうして昨夜の夢疑惑が晴れたのであった。
一ノ瀬とはこれまで通りでいられそうだし、それもよかった。
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