第242話 愛の告白選手権 前
「はーじまりましたー!『愛の告白選手権』!皆さんこんにちはー、今日はものすごい美人さんが集まったのでぜひ最後まで楽しんでいってくださいねー!本日司会を務めます山城美香でーす!」
さっきまで泣きそうになっていたのに、今では元気いっぱいだった。
それに、さっきまではプールの監視員みたいな服装だったのに今ではちゃんとビキニをつけていた。
普通にこの子を出しておけば良かったのではないだろうか。めっちゃ可愛いですよこの子。
そんなわけで始まった『愛の告白選手権』。
それは好きな人や大切な人に向けて愛の言葉を叫ぶという企画である。
そして、その告白を聞いた観客の反応が1番大きかった人が優勝。優勝者には景品が貰えるらしい。
「それではいきましょう!エントリーナンバー1番!村瀬愛月さんです!」
そう言われて村瀬が舞台袖から歩いてきた。
きっと緊張しているんだろう。キョロキョロしていた。
村瀬は舞台の真ん中で止まる。
「それでは初めに聞きましょう、今日愛の言葉を叫ぶのはどんな方なんですか?」
司会者の山城が村瀬に聞く。
「えっとー、その人は小さい頃に一人ぼっちだった私に手を差し出してくれて、その時からずっと好きだった相手です……」
「なるほどー、ものすごくいい人ですねー!それではその優しい彼に向けて愛の告白よろしくお願いします!」
山城がマイクを村瀬に渡して少し離れた。
これ告白する側めっちゃ緊張するなー。
「えっとー、昔は私を助けてくれてありがとう。本当に嬉しかった。それに、最近ちょっとしたことがあってまた再開することができた。本当に嬉しかった。告白の結果……、楽しみにしてるね。大好きだよ!」
「「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」」
村瀬は視線を上げることはなかったが、最後まで告白を続けた。自分にされていると分かっていると俺も視線を合わせなくなってしまうな。
てか、ちょっとあの歓声はきついぞ。
「おお!!ありがとうございました!告白の結果がいいことを祈っておきましょう!それではありがとうございましたー!」
山城のそのセリフで村瀬は舞台袖へと帰っていった。
若干早足だった。
まあ、そりゃ早く帰りたいわな。
「いきなりこれは優勝候補なんじゃないですかー?これは激しい戦いになること間違いなしですよー!それでは次に行きましょうか!エントリーナンバー2番一ノ瀬来未さんです!」
『愛の告白選手権』……。
これは想像以上の企画であることに間違い無いだろう。
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