第237話 合宿は終了したが……
「そろそろ2人とも起きなよー」
その声で俺は目を覚ました。
「あ、ああ……いま……なんじ?」
寝起きということもあって誰が俺たちを起こしにきたのかは分からなかった。
「もう10時だよ?いったいいつまで寝てるの?」
10時?そんなにも寝てたのか。
いや、昨日寝たのは結局3時ごろじゃないか?
それなら、睡眠時間的に7時間……。
そんなに寝てねえじゃん。
どおりでめっちゃ眠い。
「おはよ」
俺は正面にいる人に朝の挨拶をする。
俺たちを起こしにきてくれたのは一ノ瀬だったらしい。
「今日はもう合宿終わったんだろ?それならいつまで寝ててもいいんじゃないのか?」
あれ?合宿って終了じゃなかったっけ?
「ああうん、京くんは寝てていいんだよ?今日私が用あるのはまっひーのほうだよ。今日女子グループで出かけようかって約束してたの」
「そうだったのか……」
俺は真昼の方を向く。
スピースピー……と気持ちよさそうに寝ていた。
おい!
てか、お前約束あったのになんでアニメ一気見してるんだよ。
「もしかして昨日は夜遅くまで起きてたの?あ、もしや一昨日私とあんなことがありながらまっひーと……」
「違うから!そんなことはしてないから!てか、あれは俺が100%悪かったけど真昼とかにバレるかもしれないだろ!」
くすくすと笑う一ノ瀬を前に言う。
「まあ、あの件はお出かけするってことで許すって言ったしね。あ、まっひー起こしてくれない?その京くんにひっついているまっひーを」
今気づいたが真昼は俺の腕にコアラのように抱きついていた。
てか、一ノ瀬の圧がすごい!
俺は抱きつかれているのとは逆の手で真昼をゆすって起こす。
「ん……んん……けい……くん?おはよ」
寝起きで気持ちよさそうな顔のまま言う。
「おはよ。お前今日約束があったんじゃないのか?」
「ん……?あ!わすれてた!」
真昼は飛び跳ねるように起きる。
寝起きでこれはすごい!
そして目の前にいる一ノ瀬を見つける。
「ご、ごめん今からすぐ準備するから」
慌てていてなんかめっちゃ回転してる。
こいつは昔からテンパると周りが見えなくなってしまうからな。
「大丈夫だよ。お昼からにしようかってさっき決まったところだから」
そして、それを落ち着けるように言う一ノ瀬。
「そ、そう……?ごめんね」
どうやら話はまとまったらしい。
「出かけるって何かするのか?」
俺は起きたばかりの真昼ではなく一ノ瀬に聞く。
「それ聞いちゃう?それはねぇ、水着を買いに行こうと思ってね。あ、今私たちの水着姿想像したでしょ!」
「し、してねえよ!」
いや、しましたね。はい、しましたとも!
「それとプールは1週間後くらいの予定ね?」
「ああ、わかった」
よし!1週間ラノベ読み放題だ!
「ちゃんと勉強するんだよ?」
なんなんですか?!エスパーですか?!エスパーなんですか?!
「す、する……よ?」
うん、毎日1ページずつくらいはやるよ?多分。
「あ、それと京くんって水着あるよね?」
「ああ、あるぞ。中学の授業のやつが」
「え?」
その一言を聞いた後、一ノ瀬は部屋を出て行った。
一分後帰ってきた。そして、一言。
「それじゃあ京くんも水着買いに行こっか」
ラノベはまだ読めないそうです……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます