第210話 朝食

俺と笑顔の郷田(絶対怒ってる)は横に並んで食堂へと向かっていた。


やばい……、今日の夜がめちゃくちゃ怖い。


郷田たちの部屋で寝たら必ず殺されるだろう。


それなら、もう一日先生のところで寝かせてもらおうかな。


いや、それはそれで化け物がいるんだった!


なんなの?!俺の生存ルートないの?!



俺たちが食堂に着いた時にはまだ数人しか集まっていなかった。


俺と郷田は座席に座る。


「なあ郷田」


「ん?なんだ?」


なるほど……。今ここでは怒鳴られることもなさそうだし、普通に話しても大丈夫だろう。


「俺って結局昨日どうなったの?」


一ノ瀬と一緒に帰ってきたことは覚えている。


でも、そのあと俺は真昼を助けることができたんだろうか。


「ああ、お前が宮下ちゃんをおぶって帰ってきて、そしたらお前が倒れた。それで2人とも寝てたみたいな感じかな」


なるほど……。一応守ることはできたのかな?でも


「え?俺めちゃくちゃダサくね?」


俺が郷田に聞くと、郷田はケラケラと笑い、


「まあそうだな。あとちょっと頑張ってたらめちゃくちゃかっこよかったな」


くそおおおおおお!!!!!


これじゃ最後の最後でめちゃくちゃ恥ずいことしてしまったー!


俺は羞恥で俯いていた。


「なあ京、お前って昨日なんであんなに服とか破れまくってたの?」


そんな中郷田が聞いてきた。


おっと、またしても少し恥ずかしいお話をしなくてはいけなくなったじゃねえか。


「一ノ瀬と肝試ししてる時に、崖から落ちそうになったんだよ。で、木を掴んでたら、服とか破れたのかな」


「ええ?!それってアニメとかラノベとかでよくある崖から落ちそうになった彼女を助けるシーンみたいなやつ?!」


そうだよねー…、そこまではかっこよく聞こえるよねー…。


「いや、アニメとかだったら普通は助けられるじゃん?」


「おう、最高にカッコいいシーンだな」


でもですね……。


「でも俺は力なんてないし、結局2人で落ちてしまったっていうね」


「なんだそれ、めちゃくちゃダサいじゃねえか!俺なら助けられたかもな。ちょっとぐらい筋トレしとけよ」


「ああ、俺もその時決意した」


そうだ!俺だってちょっとは筋トレしないとな!


まずはそうだな……腕立て5回と腹筋5回からでいいか。



「あ、けーちゃんおはよー!つよしも」


「おはよ」


「ああ。一ノ瀬ちゃんもおはよ」


「うん、おはよ。け、京くんもおはよ」


「おう、おはよ」


と、軽く挨拶を交わす。


食事中も軽く雑談なんかを交わしていた。


若干一ノ瀬がチラチラこっちを見ている気がしたけど、きっと気のせいだよな。



こうして2日目の朝食は終えた。


今日はこれから川で遊ぶことになっている。


流石に俺はこの状態で川に入ったらヤバそうなので、見学することにした。


俺は1人で泥遊びでもしようかな。

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