第207話 抵抗

「ほらほら、私と子作りしようよ?それか結婚するか。どっちがいい?」


「いやいや、選択肢がおかしいでしょ!てか、そもそもあなた教師でしょ?!生徒に手出しちゃダメでしょ!」


この人は絶対に頭がおかしい。


だって、普通なら『子作りしよ?』って言われて断るような男子高校生はいないだろ。


でも、なぜか俺は断ってしまった。


うん、俺の体をがなぜか拒絶しているんだ。


俺の体をを信じてみよう。


「そんなのどうとでもなるでしょ。森木くんが高校卒業してから付き合ったってことにすれば問題なーし!ささ、子供作るよー」


「大有りだよ!ほんとに子供できたらどうするんだよ!!!」


やばい、俺もつい声を張ってしまった。この頭のおかしな教師に黙れって言えない。


それに、もう先生という意識も無くなってきた。タメ口もなくなってきた。


「結婚するまでは私が1人で育てるよ。あ、でもたまには子供に顔見せてあげてね。私も寂しいし」


「なんで結婚する前提なんだよ!!!言いましょう!俺は絶対にあなたと結婚なんてしません!!」


俺は相手が教師だということも忘れており、きもいストーカーを相手にする感じで言った。


それぐらい言わないと効かないだろ。


「ふふふふふ……。君にそんな権利なんてないんだよ。私がここで君とやって、子供ができちゃったら私と森木くんが結婚することは決まるんだよ?」


全く効いてなかった。


なに?知らなかったの?みたいな感じで言われたから一瞬信じそうになったが、そんなわけあるか!


「そもそも、オタクなんてこの世に何百万、何千万といるだろうが!どうして俺にこだわるんだよ?!」


「いや、普通に優しそうな子だし。実際カッコいいってことはこの傷が証明してるしね」


くっ、なんだよ……、素直に言われると照れるじゃねえか。


「そ、そうですか……」


「うん……。ねえ、私ってそこまで森木くんの好みの顔じゃない?」


「いや、顔は普通に可愛いと思いますよ」


顔は!ね。中身に理由があるんです。


「えっ?!あ、あ……そ、そう……?ありがと」


おい!なんでそんなにわかりやすく照れてんだよ!


こっちまでちょっと恥ずかしくなってきたじゃねえか!


「私決めた!絶対森木くんと結婚する!」


なぜだ……。なぜ彼女をやる気にさせてしまったんだ……。


「いやだからさっきからいやだっっっっ?!」


フリーーーーーーーーズ。


「わ、私は本気だから!」


彼女は俺の手を取り、自分の胸に押し付けた。


俺は彼女の胸を触っていた。


そして、真顔で言ってきた。


俺の手を自分の胸に当てまくる。


ダメだ!頭の中ではダメだと分かっているのに、身体は正直だった。くそっ、目を覚ませー!


「私と結婚してくれるなら、いつでも触っていいし、やれるよ?」


おい、なんだこの天国みたいな条件は!!


ちょっと惑わされそうになってしまったじゃねえか!


いや、正直ちょっといい話なんじゃないかと思ってしまっていた。


くそっ、なんでこんなに変態に生まれてしまったんだ俺は!!


ダメだ正気に戻れ正気に戻れ正気に戻れ正気に戻れ正気に戻れ正気に戻れ正気に戻れ……!


ふぅ…………。


なんとか性欲に耐えることができた。


それに、今いい断り方が思いついてしまった。これ以上いい方法がないような方法が!


よし、早速実践だ。


「わかりました。先生、分かったので、いったん俺の話を聞いて欲しいんですけど、いいですか?」


俺は落ち着かせるように言う。


彼女も素直に従う。よし、ここからだ。


「今俺たちは教師と生徒の関係です。ここでバレてしまっては一生俺たちって結婚とかできなくなると思うんです」


「うん♪」


よし、いい感じに進まれてる。


「だから、俺が卒業するまでは待ってもらえませんかね?それまでは俺たちはなにもない関係でいるってことです。わかりますか?アーユーオーケー?」


俺が言うと、先生は首を縦に何度か振る。


おっ、いい感じか!


そう、この作戦は先生には悪いけど、高校生の間は安全に過ごし、卒業した後は彼女との連絡手段の全てを断つ。先生には悪いけど、これしかないんだ。


「なるほど……。たしかに後々のことを考えたら、その方がいいのかも……」


よっしゃー!これで完璧だ。


「いや、でもなんか逃げられそうだから、ここで子供作ることにした。うん、決めた」


全然完璧なんかじゃなかった。


天国から地獄に落とされた気分。


ダメだ。この人とやってしまうと、絶対に今の俺には帰ってこれない。


この人と結婚なんてしてしまったらまずいことになる気しかしない。


でも、顔も普通に可愛くて、スタイルもベリーグッドだ。やったら終わりだ。


「ダメです!絶対にダメです!卒業してからにするべきです!」


「いや、もう決めた。ここで子供を作る!さあ!君の大きなソーセージを見せたまえ!さっきも見たけど、きっと3倍ぐらいの大きさになっているんだろう?」


そう、そうだからダメなんだ。


身体がやりたがっているんだ。


どうしようもない。


ヘルプウウウウ!!!!!!!


マジでヘルプヘルプヘルプミイイイイイイイ!!!


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