第196話 共同作業の結果

「お前どうしたんだ?」


「いや、俺もなぜだかわからん」


カレー作りを終えて、今は真昼を除いた4人でカレーを食べていた。


郷田が俺を心配してくれたのは納得できる。


だって、俺の頬がめっちゃ赤くなってる。なんか膨れてる。


それに、なぜかここ数分間の記憶が全くない。


それを村瀬に聞いても教えてくれない。


それに、村瀬は少し起こってるように見えた。


何かあったのかなぁ……。


「それにしてもうめえな!」


郷田がカレーを食べて言う。


確かにものすごくうまかった。


これが林間学校なんだよな。


中学の林間学校なんて地獄だった。


もちろんカレーの味なんて覚えてないけど、きっと不味かったんだろうな。


一応班みたいなのには入ってるけど、俺だけは孤立していた。


カレーを作る時も1人、食べる時も周りに人はいるものの誰も俺と話をしたりしなくれたりしないし。

友達がいるって、本当に幸せなことなんだなぁ。


「ちょっ、京どうした?!」


「えっ?」


郷田に変なことを言われたので郷田の方を向く。


「お前……、なんで泣いてんの?」


「ええっ?!」


俺は慌てて袖で目の辺りを擦る。


当てた部分を見ると本当に液体の反応があった。


どうやら、悲しい過去を思い出して泣いてしまっていたらしい。


「ごめんごめん、林間学校っていいなと思ったら涙が出てきてさ……」


「そんなに?!」


「お前、どんな中学生活過ごしてきたんだよ!」


「けーちゃんの涙……、すてき……」


と、まあ皆色々な感想を述べていた。


カレーを食べ終えて、片付けを済ませる。


ちょっと真昼がおかしかったけど、俺は確信した。


学校の行事ってめっちゃ楽しいんだな!

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