第194話 共同作業 2ー2
つよしくんからキャンプファイヤーに誘われたけど断っちゃった。
まあ、踊る相手が決まってるのは本当なんだけどね。
私が明日キャンプファイヤーで踊るのは、京くん。
まあ、まだ誘ったわけじゃないから、断られたら仕方がないんだけどね。
それに、このキャンプファイアーの相手が誰にするのかという題材で、3日ほどかかってしまった。
遡ること数日前。
私とまっひーと愛月ちゃんでのグループ『京くん大好き同盟』の中での話だ。
別に私は京くんのことが好きだとかそういうわけではないが、なぜか無理やり入れられてしまった。
このグループでは名前の通り、京くんのことしか話さない。
私は2人の京くん大好き話をひたすら聞かされているってこと。
ちょっとかわいそうだと思わない?
京くんはいい人だとは思うけど、好きってわけじゃないから、どういった反応をすればいいのか毎回悩んでしまう。どう?私かわいそうでしょ?
真昼 『ねえ、林間学校のキャンプファイヤー誰が京くんと踊る?私が踊ってもいい?』
まっひーからのこのラインをみて、私は感じた。
これから数日間はちょっとめんどくさいことになりそうだなと。
愛月 『いいわけないでしょ!私がけーちゃんと踊るんだから!』
そして、愛月ちゃんはこのように返す。
うん、予想通り。戦争が始まった。
私はこういうときはなるべく既読をつけないように内容を把握する。
しかし、2人が何通かのやりとりをしたあと、必ずこんなのが送られてくる。
真昼 『くるちゃんはどう思う?』
愛月 『一ノ瀬さんはどう思う?』
これだ。これが送られてきた以上会話に入らなければならなくなる。
でも、普通に考えてみて欲しい。私はなんて答えたら正解なのだろう。
どちらかがいいと言った場合、もう1人の方を敵にしてしまうことになる。
私はいつだって中立の立場のはず。
なんと答えたらいいのかなんて聞かれても答えられるはずがない。
来未 『私は中立の立場だからどっちかは決められないなー』
と、あやふやな考えしか送れない。
そのまま2人の戦争が始まってから2日経った。
私には一つだけ思いついたことがあった。
しかし、もしかしたら文句を言われるかもしれない。いや、確実に言われるだろう。
だって、この考えは2人には諦めてもらい、京くんに恋心を持っていない私が踊ると言っているようなものだった。
送る前にかなり悩んだ。
あくまで噂だが、踊った2人は結ばれるなんてものがある。
2人からしたら、自分以外の誰にも踊らせてはいけないと思ってるはずだ。
葛藤の末、私は送った。
その結果、意外なことが起こったもの。
真昼 『そうだね。どうせ言い合っても決まらないだろうし、それなら愛月より安心できるくるちゃんの方がいいね』
愛月 『真昼に同感。真昼と踊らせるくらいなら一ノ瀬さんの方が安心できる』
2人に賛成してもらって、私が京くんと踊ることになった。
つよしくんには悪いことしちゃったかな。
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