第193話 共同作業 2ー1
おっと、ここに俺が出てくるのは初めてだったかな。
それなら、自己紹介から。
我が名は郷田強!元ヤンキーとし、最強の物理攻撃、拳を操る者……!
このように、最近京に教えてもらったラノベで『この○晴らしい○界に○福を!』ってやつが、あまりにも面白くてハマってます。でも、学校とかで「○裂魔法撃ちたい!」とか言ったら恥ずかしいしいから表では出さないようにしてる。ちょっと自己紹介にもハマってたから、この場を借りて自己紹介させていただきました。すいません。自分なんかが魔法を撃てないのはわかってるので、『拳』って言ってみたんですけど、どうでしょうか?やっぱりダサいですかね?
と、まあ若干オタクになりかけている俺だが、俺はこの林間学校で一ノ瀬ちゃんを落としたいと考えている。
宮下ちゃんは多分完全に京のことが好きになってるから諦めるとして、そうなってきたら一ノ瀬ちゃんしかないと思うんだよね。
ほんと今でも京にあそこまでの美人たちが集まるのには納得できないけど、逆に言ったら京と仲良くなれたら自然と美人さんたちとお近づきになれるわけで。1人ぐらいよこせラノベ主人公やろう!
まあ、普通に京といたら楽しいんだけどな。
それに、今ってめちゃくちゃチャンスなんじゃない?
だって、2人きりで話せるんだよ?
『こ○すば』の○ズマさんみたいな考えはしてるけど、道でパンツ盗んだりとかは考えてないぞ?ほんとだぞ?幸運値が高いのいいなと思う程度だよ?
俺はここでちゃんと口説いて、二日目の夜にあるキャンプファイヤーで一ノ瀬ちゃんと踊るんだ!
このキャンプファイヤーにはかなり有名な噂があって、このキャンプファイヤーで踊った2人は結ばれるとかなんだとか。
まあ、そんなのが噂でしかないのはわかってるんだけど、ちょっとは信じちゃうじゃん。
それに、結婚とまでは言わないけど、付き合うくらいは可能性上がるかもしれないじゃん!
よし、俺はこの林間学校で男になるぞ!
一ノ瀬ちゃんとキャンプファイヤー一緒に踊ろう大作戦開始だ!
とは言ったものの、俺たちって特に作業することないんだよな。
作業したのは最初の5分くらいで、そのあとはひたすら米が炊けるまで待つのみ。
うん、男らしさ見せよう大作戦失敗。
仕方がない、素直に聞こう。
「一ノ瀬ちゃんって好きな人とかいるの?」
「うん?いないよ。私にもまっひーとかみたいに好きな人ができたらいいんだけどねー。つよしくんは?」
おっと、聞き返されるのは想定外だった。
「う、うん、まあ、いなくはないかな。気になる人はいるんだけどさ」
うわー。こんな話するのめっちゃ緊張するー!
「そうなんだ。すごいね。私も好きな人とかできるのかなー」
よしっ!好きな人いないのか!それなら俺にも可能性あるよな!
普通に考えたら、好きな人がいないってことは、まだキャンプファイヤーで踊る人って決まってないよな。
よし、ここで決めてしまおう!
「ねえ、もしよかったら明日のキャンプファイヤー一緒に踊らない?」
やっべ!聞いちゃった!ドキドキ!
「ごめんね。もう踊る子決まっちゃったんだ」
「そ、そそそっか。それなら仕方がないな。俺も誰か見つけないとなー」
男、郷田強。人生初めての告白、フラれました。
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