第187話 この人誰だろなクイズ 後
『この人誰だろなクイズ』を2問しただけだが、若干『郷田』が答えになって空気が重くなった。
まあ、一ノ瀬が答えたおかげで、郷田も笑顔だったけど。
もし、答えたのが可愛い女の子以外だったら殴りにかかってたかもしれないな。怖い怖い。
まあ、一ノ瀬のおかげでバス内の空気も回復し、クイズが再開しようとしていた。
「それでは第3問。趣味は……へえ、料理が得意なんだー。あ、趣味は料理!」
おいAくん、勝手に人の趣味見て感想言ってんじゃねえよ。てか、絶対こいつその人のこと気になってるだろ。
でも、普通に考えたら、モテる子って言えば可愛い子だから、真昼、一ノ瀬、村瀬あたりか(他の女子の名前を知らない)。
で、料理が得意だから……。
真昼も最近は料理をするようになったが、まだ趣味とまでは言えないだろう。
となると、一ノ瀬か村瀬になる。
2人とも料理はものすごく得意だ。この舌が証明してくれた。
2人ともものすごく美味しかった。
だから、ここで1人に絞り込むことは出来ないな。
この次のヒントが発表されるであろう得意科目で明らかになるはずだ。
一ノ瀬なら国語か社会。それ以外なら村瀬と考えていいだろう。
もしかしたら、村瀬なら得意科目欄に『なし』高く可能性も0ではないな。あ、前回良かった数学って書く確率が高いかな。
そんな考えで、次のヒントまで待とうと俺は考えた。
しかし、俺の隣から声が聞こえた。
「くるちゃんだ!」
声の主は真昼だった。
まあ、真昼からしたら、村瀬と仲が悪そうだし絶対に答えないのかもしれない。じゃあ、真昼からしたら一択だったのか。
真昼の声を聞いて、
「へえ、一ノ瀬さんって料理得意なんだー」
「すごいな。完璧じゃん!お嫁さんにしてー」
などと本人がいるにも関わらず自由にいう連中達。正直者すぎるだろ!
横を見ると、いきなり郷田が積極的にチャレンジしていた。
「へえ、料理得意なんだね。また、今度なんか作ってよ」
すごいな。積極的すぎだろ!「好きです」って言ってるようなもんだぞ!
一ノ瀬は一瞬困ったような顔を見せたが、俺の友達だということを知っていたためか、了承していた。
また1人増えたな。
「せいかーい!ちなみに、得意教科は国語で、苦手科目は数学と理科と社会らしいでーす」
いや、苦手科目悪意ありすぎでしょ!期末テストで俺に負けたやつじゃん。
一ノ瀬と目があってしまった。
目が燃えている。やばい、怖いです。
てか、今までは正解がわかったらそれ以降のは言わなかったのに、なんで一ノ瀬の時だけ言うんだよ!
「それじゃあ、次の問題!えっと……」
おい、こいつ明らかに嫌な顔したぞ。それに俺と目があったんですけどー。嫌な予感がするんですが。
「趣味は読書らしいでーす」
なんか言い方さっきと違いすぎ!
それに、俺だってことをほぼ確信!
その直後だった。
「京くん!」
「けーちゃん!」
俺の両隣から声が聞こえました。
「せ、せい、かい……」
「これは2人に得点だな」
郷田がケラケラ笑いながら言う。
くそっ、家に帰ったら、郷田にも対抗できるぐらい強くなろう。
それに、こんな熱い視線を浴びないように!
数ヶ月続けばわかる。
バスの中、みんな前を向いてるけどわかる。
熱い視線がこちらに向いてることに。
まあ、もうこんなことでビビったりはしなくなったけど。
その次は知らない子が答えだったので、全くわかりませんでした。
これにて『この人誰だろなクイズ』終了。
1位 真昼 2点
2位 俺、一ノ瀬、村瀬 1点
3位 郷田 0点
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